健康小話

日経によると, 「人間の赤ちゃんが他の動物に較べて, 小さな脳や未熟な身体で誕生するのは, それ以上大きくなると, "母親の栄養状態が危険になる" からだ」 とする研究結果を, このほど米国の研究ﾁｰﾑが発表している由.

従来は, 「赤ちゃんの頭が大きくなると産道を通らないため」 との説が一般的だったのである.

然し, 同ﾁｰﾑでは 「出産のﾀｲﾐﾝｸﾞは産道の大きさで決まるのではなく, 母子間のｴﾈﾙｷﾞｰ需給のﾊﾞﾗﾝｽが限界に近づくからである」 と, 従来の説に見直しを迫っていると言う.

同ﾁｰﾑは, 赤ちゃんの頭が少し大きくなったとしても, 母親の出産や歩行に支障はない, とみられる事を様々な手法で確認していると言う.

一方で, 妊娠後は, 胎児の成長に伴って成育に必要なｴﾈﾙｷﾞｰが急増し, 9 ヶ月を過ぎると胎児に回る栄養のため, 母親が摂取できる量だけでは母体の栄養が不足しかねない事を確認した, との事である.

同ﾁｰﾑでは, こうした危険を避けるために出産に至るのであり, 出産後は, 母子ともに栄養状態が安定すると言う.

人間はｻﾙに較べ未発達なまま生まれ, 自分で動ける様になるまでの時間も長い.

が, これは, 大きな脳や二足歩行の代償とされる一方, 養育期間が長くなる事で, 親族や社会性の基盤づくりにもなっている, とも考えられている.

とは言え, 乳幼児の虐待事件が後を絶たず, 動物的な本能さえ失ってしまっているのではないかとさえ考えさせられるのは如何いう訳なのであろうか.

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