(2152) ブタ体内でヒトの iPS 臓器2016/01/16 02:42

米スタンフォード大学と東京大学を兼務する中内 啓光教授は 8 月を目処に人間の臓器を持つブタを作る実験を米国で開始すると言う.

人の iPS 細胞を, ブタの体内で膵臓や肝臓まで育てる計画で, 病気を起こした臓器の働きを補う, 再生医療への応用を目指す.

世界に先駆け 5 - 10 年内の実用化を目標にしている由.

中村教授は, 東大医科学研究所で iPS 細胞の応用に向けた研究を重ねて来たが, 日本は人間の臓器を持つ動物の作製を禁じており, 米国に研究機会を求めるものである.

実験では, 先ず遺伝子操作で膵臓を持たなくしたブタの受精卵を作る.

そのままでは膵臓のない子ブタが出来るが, 途中で人の iPS 細胞を入れ別のブタの子宮に戻す.

子ブタの体内には人の iPS 細胞から再生された膵臓が出来ると考えている.

なお, マウスの体内でラットの膵臓を作る実験などには既に成功しているとの事.

臨床応用では, 膵臓全体ではなく, 血糖値の調整に必要なインスリンを出す膵島のみの移植が現実的と見ている.

その理由は, 神経や血管が余り混ざっておらず, 膵島移植は広く実施されているためだと言う.

ただ治療に使える膵臓を作るには iPS 細胞の作製法の工夫なども必要で容易ではない様だ.

臓器の作製実験を繰り返し最適な条件を探る.

人の肝臓をブタの体内で作る計画もあり, 肝臓癌の治療などに応用したい考えの様だ.

作製した肝臓に病気を起こし, 新薬の効き具合や安全性を調べると言った利用法もある由.

政府は再生医療を成長戦略の重点分野の一つに挙げ, 関連法を施行して実用に近い技術の医療応用を後押ししている.

一方で, 生命倫理問題が絡む前例のない技術の応用には慎重だ.

「ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律」 に基づく指針の下, 人間と動物の細胞を混ぜて子宮に戻す実験は禁じている.

海外では米国やイスラエルで人の iPS 細胞などをマウスの受精卵に入れ, マウスに妊娠させた研究の報告がある.

文部科学省の審議会が規制緩和を検討中だが, 中内教授は 「待っていてもなかなか前進しない」 として, 既に 2014 年から研究の大部分をスタンフォード大の拠点に移しているとの由.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (ルリビタキ 雌 ③)

Have a nice weekend!
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