(2165) 癌の肺転移の引き金 肺の炎症抑制物質2016/01/29 03:14

東京女子医科大学の丸 義朗教授らは, 皮膚癌などの肺転移に先立ち, 肺に起きる炎症を抑える物質を発見し, マウスの実験で効果を確認している.

肺の炎症は肺転移の引き金になる事が知られており, これを抑制する事で, 癌の肺転移を抑える新たな治療薬になる可能性があると言う.

癌は, 転移先の臓器に炎症を起こし, それを足掛かりに転移する事が知られている.

研究チームは, エリトランという物質に, 炎症を起こす免疫反応を抑える効果がある事を突き止めたのである.

マウスの皮下に, 皮膚癌の一種である悪性黒色腫の細胞を注射した処, 10 日後に皮膚癌が出来, 肺に炎症が起きた.

何もしないと, その 5 日後に肺の炎症が悪化したが, エリトランを投与したマウスでは炎症の指標となる白血球の数が減り, 炎症が抑えられたとの事.

癌細胞が出す物質が肺の細胞に作用すると, 肺の細胞は生理活性物質 S 100A 8 を分泌する.

これが肺細胞の表面蛋白質に結合する事で炎症が起きるとされる.

けれども, エリトランは, この結合を抑える事で炎症を防ぐと考えられる.

乳癌の肺転移, 肺癌の別の部位への転移も同様のメカニズムで起きるとみられている.

一方, エリトランは様々な癌の肺転移を抑制する可能性がある.

癌の増殖を抑える通常の抗癌剤とは作用機序が異なる為, 併用する事も可能とみられる.

なお, エリトランは, エーザイが敗血症の治療薬として開発を進めていたが, 最終的に開発を断念した物質との事.

安全性を確かめる第 1 相試験は既に終えている事から, 効果が確認出来れば, 比較的短期間で実用化出来ると言う.

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