健康小話

順天堂大と慶応大は, ﾊﾟｰｷﾝｿﾝ病の患者数千人から iPS 細胞を作って保存する 「iPS 細胞ﾊﾞﾝｸ」 を整備すると言う.

順天堂大に通院する約 130 人の血液から iPS 細胞を作り始めており, 来年から本格化する.

iPS 細胞を神経細胞に成長させ, ﾊﾟｰｷﾝｿﾝ病の発症原因の解明や治療薬の開発に結び付ける計画との由.

一方, 慶応大の岡野 栄之教授らは, ﾋﾄの血液中にある免疫細胞から iPS 細胞を作り, 神経細胞の元になる神経幹細胞に効率よく育てる技術を開発している.

血液から iPS 細胞を作る事により, 多くの患者からの作製が容易になり, ﾊﾟｰｷﾝｿﾝ病の研究がし易くなった訳である.

皮膚から iPS を作る従来の方法では, 皮膚を採取する患者の負担が大きいと言う課題を抱えていたと言う.

ﾊﾟｰｷﾝｿﾝ病は手足の慢性的な震えなどに悩まされる病気で, 脳の神経細胞の一部が死滅して発症するが, 有効な治療法は未だ存在していない.

原因遺伝子は, 約 20 種類知られるが, 遺伝が原因となる患者は全体の 1 割程度と言われている.

患者数は 2030 年までに全世界で 3000 万人に達すると推定されている疾患である.

ﾊﾟｰｷﾝｿﾝ病の患者さんは, その日により体調が変化するため QOL (生活の質) が著しく低下してしまう. また, 一日の内でも大きく体調が変化する厄介な疾患なのである.

本日のｶｯﾄ写真提供 : 下平 宏 氏 (紅葉にｶﾜｾﾐ)

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