(4378) iPS 創薬で ALS 進行停止!2021/10/24 01:50

京都大学 iPS 細胞研究所の井上 治久教授らは, 全身の筋肉が次第に衰える ALS (筋萎縮性側索硬化症) について, iPS 細胞を使った創薬研究で見付けた治療薬候補を患者に投与する臨床試験 (治験) で, 進行を止める効果が一部の患者で出た, と発表している.

投薬で病気の進行を止める効果は世界初という.

根本的な治療法を目指し, より大規模な治験を行い, 詳細を解明していく.

ALS は運動神経の障害で, 筋肉が徐々に衰える進行性の難病であるが, 国内に約 9 千人の患者がいるとされる.

個人差があるものの, 発症から数年で人工呼吸器を装着したり, 亡くなったりする.

既存薬は病気の進行を数カ月遅らせる効果はあるが, 根本的な治療法はない.

京大は患者の iPS 細胞から病気の細胞を再現し, 様々な薬剤を試して慢性骨髄性白血病の治療薬 「ボスチニブ」 を ALS の治療薬候補とした.

2019 年, 安全性などを調べる第 1 相と呼ばれる初期の医師主導治験を開始している.

20 歳以上 80 歳未満の, 比較的軽症の 12 人の患者にボスチニブを投与した.

用量が多く肝機能障害が出て投薬を中止した 3 人を除く 9 人で効果を調べた.

1 日に 100 - 300 ミリグラムを 12 週間投与した.

投与期間中と終了後に, 会話や食事, 歩行などをもとに, ALS の重症度を評価する方法で調べると, 9 人中 5 人で病気の進行が 3 カ月止まった.

傾向を調べると, 神経細胞が壊れた際に放出される物質が血液中に少ない患者で効果が現れ易かった.

軽症の患者には薬が効き易い可能性があると言う.

井上教授は 「科学的に ALS を制圧する事が視野に入ったのではないか」 とコメントしている.

ただ, 今回の治験は対象の患者数が少なく, 効果の検証に必要な偽薬を投与する患者群との比較がない.

井上教授は 「科学的に有効性を示すには, 第 2 相以降の治験が必要だ」 とし, ボスチニブが効くメカニズムの検証も進める計画である.

なお, iPS 細胞を使う創薬研究では, 慶応義塾大学が 5 月, パーキンソン病の治療薬を投与する治験で ALS の進行を約 7 カ月遅らせる効果を確認したと発表している.

様々な治療薬候補の治験が進めば, ALS の根治法が見付かる可能性が高まると期待される.

本日のカット写真 : 下平 宏氏フォトガラリーから (飛立つモズ)

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