(4433) 認知症の兆候, 血液で発見 : 早期診断で進行抑制 ― 2021/12/18 01:34
ｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病の兆候を微量の血液で発見する技術が実用段階に入っている.
血液検査装置大手のｼｽﾒｯｸｽは, 病院内で簡便に調べられる試薬を 2023 年春にも実用化する予定と言う.
ｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病は発症初期の治療が重要で, 薬の開発も進むが, 初期段階の患者を見付ける検査体制は未整備だ.
低ｺｽﾄの検査が確立すれば, 診断や治療の流れが変り, 患者の生活の質向上や医療費抑制に繫がる.
現在のｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病の診断方法は, 問診やﾃｽﾄ, 磁気共鳴画像装置 (MRI) による脳の撮影が一般的で, 症状がある程度進行しないと診断出来ない場合が多い.
一方, 患者の脳内には原因物質とされる蛋白質 「ｱﾐﾛｲﾄﾞﾍﾞｰﾀ」 が早くから蓄積しているとされ, 蓄積量を調べて発症の疑いを探る技術開発が進められている.
ｼｽﾒｯｸｽがｴｰｻﾞｲと共同開発した試薬は, 一般的な病院で使われている血液分析装置と組み合わせて使い, 「ｱﾐﾛｲﾄﾞﾍﾞｰﾀ」 の蓄積量を 20 分以内で測定する.
ｼｽﾒｯｸｽは 12 月中に厚生労働省に製造販売承認を申請する.
承認されれば, 23 年 4 - 6 月頃を目処に発売を目指すと言う.
血液検査で発症の疑いのある人を割り出し精密検査に繋げる, と言った活用法を想定している.
検査価格は承認後に当局が公定価格を決めるが, 1 回数千円程度掛かる一般的な血液検査に近い価格になる可能性がある.
近年, 原因物質を取り除く事で病気の進行を遅らせる薬の開発が進んでいる.
米ﾊﾞｲｵｼﾞｪﾝとｴｰｻﾞｲが, 今年 6 月, 米国で条件付き承認を取得した 「ｱﾃﾞｭﾍﾙﾑ」 もこのﾀｲﾌﾟで, 発症前の 「軽度認知障害」 の段階や初期患者が投与対象となっている.
が, 投与には原因物質の蓄積量を調べる必要がある.
これまでは高額な陽電子放射断層撮影装置 (PET) で脳内を撮影する. 注射で脳脊髄液を抜き出す, と言った方法が中心で, 普及に壁があった.
血液検査はより簡便なため, 病気の兆候を調べる新手法として医療業界で注目が高まっている.
ｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病研究が専門の東京大学の岩坪 威教授は 「血液で検査が可能になれば, 脳脊髄液を採取する現行方法に比べて医療現場の負担は大きく減る」 と指摘している.
島津製作所は 6 月に質量分析法を使い血液を調べる装置を発売している.
海外では米 C2N ﾀﾞｲｱｸﾞﾉｽﾃｨｸｽ (ﾐｽﾞｰﾘ州) も同手法を使った受託検査を既に始めている.
これに加えて一般的な病院で使われる装置で検査できれば, 早期診断が普及する可能性がある.
臨床検査受託大手の H.U. ｸﾞﾙｰﾌﾟﾎｰﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｽ (HD) も 22 年 3 月までに血液検査装置を使って原因物質を検出する試薬を発売すると言う.
先ずは研究用として子会社の富士ﾚﾋﾞｵ (東京･新宿) が日本や米国, 欧州で販売するが, 診断用としての承認申請も視野に入れている.
患者の早期発見は, 今後の治療薬開発でも重要となる.
これまで多くの製薬会社が認知症薬の開発を断念しているが, 既に症状が進行し投与効果が期待出来ない患者で臨床試験 (治験) していた事が一因との指摘もある.
治療薬の開発時にも簡便な診断方法が欠かせない.
世界保健機関 (WHO) の推計では世界のｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病患者は 19 年に 5520 万人, 50 年には 2.5 倍の 1 億 3900 万人になる見通しだ.
また, 医療費だけでなく, 家族の介護など社会的負担も大きい. 早期発見と治療の両輪が揃う事が将来の負担軽減への鍵を握る.
Have a nice weekend!
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・この 「健康小話」 のﾌﾞﾛｸﾞは, はり･きゅう･ﾏｯｻｰｼﾞ ﾄﾐｲ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のﾌﾞﾛｸﾞです.
・鍼･灸･ﾏｯｻｰｼﾞ･按摩･指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
･なお, 診療予約時, 「このﾌﾞﾛｸﾞを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
･往診も承っております.
･心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
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低ｺｽﾄの検査が確立すれば, 診断や治療の流れが変り, 患者の生活の質向上や医療費抑制に繫がる.
現在のｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病の診断方法は, 問診やﾃｽﾄ, 磁気共鳴画像装置 (MRI) による脳の撮影が一般的で, 症状がある程度進行しないと診断出来ない場合が多い.
一方, 患者の脳内には原因物質とされる蛋白質 「ｱﾐﾛｲﾄﾞﾍﾞｰﾀ」 が早くから蓄積しているとされ, 蓄積量を調べて発症の疑いを探る技術開発が進められている.
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海外では米 C2N ﾀﾞｲｱｸﾞﾉｽﾃｨｸｽ (ﾐｽﾞｰﾘ州) も同手法を使った受託検査を既に始めている.
これに加えて一般的な病院で使われる装置で検査できれば, 早期診断が普及する可能性がある.
臨床検査受託大手の H.U. ｸﾞﾙｰﾌﾟﾎｰﾙﾃﾞｨﾝｸﾞｽ (HD) も 22 年 3 月までに血液検査装置を使って原因物質を検出する試薬を発売すると言う.
先ずは研究用として子会社の富士ﾚﾋﾞｵ (東京･新宿) が日本や米国, 欧州で販売するが, 診断用としての承認申請も視野に入れている.
患者の早期発見は, 今後の治療薬開発でも重要となる.
これまで多くの製薬会社が認知症薬の開発を断念しているが, 既に症状が進行し投与効果が期待出来ない患者で臨床試験 (治験) していた事が一因との指摘もある.
治療薬の開発時にも簡便な診断方法が欠かせない.
世界保健機関 (WHO) の推計では世界のｱﾙﾂﾊｲﾏｰ病患者は 19 年に 5520 万人, 50 年には 2.5 倍の 1 億 3900 万人になる見通しだ.
また, 医療費だけでなく, 家族の介護など社会的負担も大きい. 早期発見と治療の両輪が揃う事が将来の負担軽減への鍵を握る.
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