(5480) 誤った治療法を選ぶ人々2024/11/01 01:52

今回は, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの以下引用です. 参考にして戴きたい.

癌の予防も治療も一種の 「情報戦」 です.

正しい情報を手に入れ, 自分の価値観にも照らしながら自分の体を守る必要があります.

癌の情報源として中心的な存在がインターネットです. 特に, 癌と診断されるとインターネットへの依存度が高くなる様です.

私の経験でも, 癌と診断された途端に, インターネットから離れられなくなるケースが目立ちます.

然し, インターネット上にある癌関連の情報は玉石混交で, 有益な情報と共に, 誤解を生む様な宣伝や誤った情報も多数見掛けます.

2016 年の調査ですが, 癌関連の 247 サイトを癌専門医がチェックした処, ガイドラインに基づいた信頼出来るサイトは約 1 割に過ぎず, 約 4 割は危険, 或いは有害なサイトでした.

この為 18 年には 「医療広告ガイドライン」 が改正され, 未承認薬による治療, 虚偽或いは誇大な広告, 治療効果に関する主観的な体験談, 治療前後の画像の表示などが原則禁止されました.

ただ, 依然として問題のあるサイトも多く, インターネットの情報には十分な注意が必要と言えます.

では, どんなタイプの人が誤った医療情報を信じてしまうのでしょうか?

意外ですが, 米国での調査では, 教育レベルの高い人ほど科学的根拠のない癌治療を受けてしまう傾向が強いと言う報告があります.

この傾向は日本でも同様です.

高学歴の患者が根拠のない代替療法を選ぶ例を, 私自身も何度も経験して来ました.

自分自身の判断力に対する過信がマイナスに働いているのかもしれません.

日本の場合, 高学歴であっても健康教育を十分に受けているとは言えません.

この連載でも紹介した事がありますが, 一部の私立エリート進学校は保健の授業の回数が少ないのも問題です.

教育レベルが高い人程, 金銭的な余裕がある事も影響している可能性があります.

保険の利く標準治療は自己負担も少ない為, 誰でも受ける事が出来ますが, 保険が利かない自由診療や代替療法などは自己負担が高額になります.

結果的に, 高学歴, 高収入の人が標準治療以外の治療法を選択する事になるのかもしれません.

確かに, 億ションや高級車を持つには大金が必要です. 然し, わが国の国民皆保険制度では, 科学的に有効性が証明された標準治療では健康保険が利き, 自己負担の上限を定める 「高額療養費制度」 も適用されます.

一般論ですが, 余りに負担が大きい癌治療は有効性に欠けると考えて良いと思います. (引用終り)

今や 「偽情報」 の問題は医療に限った事ではなく, 特に SNS などネット情報には真偽の判らぬ情報が蔓延している.

瞬時に判断出来る AI ソフトなどと言うものが開発される事を期待したい.

Have a nice day!
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