健康小話

京都大学の高橋 重成准教授らは, 癌が転移するのは免疫細胞などから発生した, 癌にとって 「毒」 となる有害物質から逃れる為だ, とする研究成果を発表している.

有害物質は癌細胞の移動能力に関わる遺伝子の働きを高める作用があった.

ﾏｳｽを使った研究では薬剤を使って転移を抑えられた. 癌の転移を抑える薬の開発に役立つ由.

癌は遺伝子の働きに異常が生じて発症する病気で, 癌細胞が無秩序に増殖する.

病気が進行すると, 増殖した癌細胞は一部の臓器にとどまらず, 全身の臓器に転移し, 患者の症状を悪化させる.

何故転移するのか, その理由は明らかになっていなかった.

研究ﾁｰﾑは 「活性酸素種」 と呼ばれる有害物質に着目した. この物質は DNA や蛋白質などを傷付ける作用があり, 免疫細胞が病原体や癌細胞を攻撃する際に利用する.

ﾋﾄの癌をﾏｳｽに再現して, 活性酸素種がどの程度癌に存在するか調べた処, 癌の一部分に集中して多く存在する事を見付けた.

多く存在する場所を調べると, 癌細胞が腫瘍から離れて移動する 「出芽」 と言う転移のきっかけとなる現象が起きていた.

詳しい解析で活性酸素種が, 癌細胞の遺伝子に作用して移動する能力を高めていた.

活性酸素種の働きを抑える薬剤を投与した処, 転移する癌細胞を 6 - 7 割程度減らせた.

本日のｶｯﾄ写真 : 下平 宏氏ﾌｫﾄｷﾞｬﾗﾘｰから (白梅にﾒｼﾞﾛ)

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