(4221) 癌から守る 「免疫監視機構」2021/05/20 02:14

前日に続き, 今日も, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの引用です. 参考にして戴きたい. (以下引用)

コロナの収束が見えない中, 医師 - 患者間の感染を防ぐ事を目的に, 診察室にビニールのシートを置くのが当り前になっています.

何とも味気ない光景ですが, 医師が白衣を着るのも, 患者から医師への感染を防ぐ事が目的の一つです.

侍医が天皇の診察をする際には白衣は着ないと言います.

尚, 私の場合, 白衣を着る事が少なくなりました. 「白い巨塔」 を思い出しますが, 白衣は医師の権威を象徴する様に思えるからです.

実際, 医師の診察の時だけ血圧が上がる 「白衣高血圧」 という病名もあります.

医師と患者が対等な立場で情報を共有する事が良い癌治療の前提だと信じています.

さて, 病気が患者から医師に感染する事はさほど珍しくありません.

私は 3 万人近い癌患者の治療に携わって来ましたが, 患者の風邪やインフルエンザを 「貰った」 事が何度かあります.

でも, 患者から癌を貰った事はありません.

ある人の癌が別の人にうつらない理由を考えてみましょう.

私たちの体内には毎日多数の癌細胞が発生していますが, 免疫細胞が水際で退治して呉れています.

この 「免疫監視機構」 によって, 私は患者の癌を貰う事はありませんが, 私は膀胱癌を発症しました.

私の膀胱癌細胞はもともと, 私自身の正常な膀胱の細胞が不死化したものです.

私の免疫細胞にとっては異物と認識出来なかった訳です.

然し, 癌が別の人にうつる例外的な事例もあります.

母親の子宮頚癌の細胞が子どもにうつる現象を, 国立がん研究センターなどのチームが確認し, 先月, 米医学誌に発表しました.

癌細胞を含む羊水を胎児が吸い込んだとみられ, 子どもは肺に癌を発症しました.

遺伝子検査の結果, 母親の子宮頚癌がうつったものだと分りました.

新生児は免疫システムが未発達である事が理由かと思います.

臓器移植の際にも, 希ですが, ドナー側の癌がレシピエントにうつる事があります.

これも, 拒絶反応を防ぐ為の免疫抑制剤が使われる事が背景にあります.

癌から私たちを守ってくれている免疫の仕組みに改めて感謝したいと思います. (引用終り)

Have a nice day!
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