米山 公啓 著 「認知症は予防できる」 (ちくま新書) から (6) - 22010/11/24 02:39

認知症の症状は正に個性的であって, 典型的と言う事は殆どない.

だからこそ, 主治医がその患者さんの個性ある症状を理解している事に意味があるのだ.

医療には限界もあり, 絶対も完全もない. だから, 医者をただただ信じるのではなく, 上手に医者を使うのも家族の努力であり, それは日々, 主治医とのコミュニケーションに懸かっていると言えるだろう.

・ そもそも認知症の専門とは

大学病院の教授だったから何でも判るのだろうと言う発想は捨て, どんな専門を研究していたかを知っておくべきだろう.

その様に考えて行くと, 認知症においては名医を探すのではなく, 長く診てくれる医者を探した方がいいだろう.

さらに在宅医療もやっていれば尚良しである.

・ 介護まで理解出来る医者

著者の父親は, 在宅で妻 (著者の実母) の介護を 9 年近くやりながら, 開業医として働いていた.

その父親の言葉が未だに印象深い.

「どんなに医者を長くやってきても介護がこれほど大変なものか知らなかった」

まさに, これが介護の現実と言うものではないだろうか.

医者が幾ら認知症に対して知識を持っていて, 薬を処方しようとも, それらの医療行為と介護とは全く違う行為である.

最近, 在宅をやっている医者も増えてはいるが, それであっても, 医者が直接, おむつ交換をしたり, 排泄の介助をする訳でもなく, 食事介助がどんなものか, 長年医者をやっていても実体験がない.

著者の父親はそれを言いたかったのだろう.

それほど認知症の介護は大変な事だし, 主治医にさえ理解させる事はなかなか難しいものなのである.

・ 断る病院

また, 残念な事ではあるが, 認知症患者の一般病院での受け容れは抵抗される事を覚悟しておく必要がある.
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