(4234) 猥褻教員対策法, やっと成立2021/06/02 01:31

教員による児童生徒への猥褻行為を防止する為の新法が 28 日成立し, 猥褻行為で懲戒免職となった教員の免許再取得を都道府県教育委員会が拒絶出来る様になる, と日経が報じている. (以下引用)

また, 国がデータベースを整備する事も規定しており, 一部を除いて, 公布から 1 年以内に施行される事になった.

現行制度では免職により免許を失効しても, 3 年後に再取得が可能.

処分歴を申告せずに, 他自治体に採用され, 猥褻行為を繰り返したケースがあり, 規制を求める声が高まっていた.

新法は教員の猥褻行為などを 「児童生徒性暴力」 と定義し, 同意の有無に拘わらず禁止すると明記.

国や地方自治体, 学校に防止や早期発見, 調査などの対応を求めている.

免許授与権を持つ都道府県教委に 「裁量権」 を与え, 更生状況などが 「適当と認められる場合」 に限定. 第三者による審査会の意見を踏まえる事で, 教委の判断が恣意的にならない様にして公平性を担保する.

採用時の活用を想定し, 猥褻で免職となった教員の氏名や処分理由などを国がデータベース化するとしている.

付則には, 子どもに関わる職業従事者の性犯罪歴を照会する制度を検討する事を盛り込んだ.

文部科学省によると, 2019 年度に猥褻行為やセクハラで懲戒処分や訓告を受けた公立小中高などの教員は過去 2 番目に多い 273 人.

文科省も昨年, 免許再取得の制限期間を延長する法改正を目指したが, 「職業選択の自由」 に抵触する恐れがあるなどとして断念した.

猥褻教員対策を強化する新法は, 再び教壇に立たせない様にするだけでなく, 教育委員会や学校に防止や調査を求めてもいる.

問題を訴えて来た人たちは 「子どもへの性暴力根絶に向けた大きな一歩」 と評価する一方, 「身内に厳しく対処出来るのか」 との疑問も抱いており, 実効性のある対応が必要と指摘する.

「教員の性暴力に特化した法律が出来るのは画期的」. 全国学校ハラスメント被害者連絡会の共同代表を務め、対策を求める 5 万筆超の署名を文部科学省に提出した郡司 真子さんは強調する.

指導や恋愛と称した性暴力もあるとし 「何が問題か先生が理解出来る様, 具体的な基準を国が作るなど, 実効性ある対応を」 と注文した.

小学生の時に被害に遭った千葉県の女子生徒 (14) の父親も 「大きな一歩. 良い流れだ」 と評価.

ただ, 実際に法律を運用する学校や教委について 「きちんと対応するのか不安」 と明かす.

被害を受けた当初, 校長は教員を異動させず, 女子生徒に転校を勧めたといい, 「教委や学校の姿勢に誠実さが感じられなかった」 と振り返る.

女子生徒は今も大人を怖がり, 自宅から略出られない. 父親は 「被害に遭った子どもの目線に立った対策を」 と話す.

教員の性暴力対策の必要性を訴えてきたフォトグラファーの石田 郁子さんも, 実効性への懸念を口にする.

自身も 10 代後半, 通っていた札幌市立中の教員から被害を受けた.

市教委に訴えたが取合って貰えず, 市と教員を提訴. 高裁判決が性暴力を認めた後, 市教委は漸く懲戒免職にした.

「加害者が否定すれば教委は庇い, なかった事にされる」 とし, 独立した第三者が調査する仕組みが必要だとした.

性暴力被害に詳しい上谷 さくら弁護士は 「教員と児童生徒は力関係に大きな差があり, 教育現場は性暴力が起き易い構造にある. 新法は現場が対策を講じるための大きな後押しになる筈だ」 と語った. (引用終り)

当然と言えば当然過ぎる法律がやっと成立した訳である. 寧ろ, 今まで規制されなかったのが不思議な位だ.

世の中には, 所謂 “良識” と言える範疇からズレていると思われる事例が少なくない.

猥褻教師が後を絶たない事を初めとし, 虐めによると考えられる子どもの自殺など, 「身内に甘い」 と言うのか, 君子危うきに近寄らずと言うのか, 仲間意識が影響している様だ.

犯罪行為や悪事と雖も, 表現の自由や職業選択の自由など 「○○の自由」 と言う大義名分を盾として, 法を犯した者に対してまで, 個人の権利を護ろうとする事が如何に多い事か!

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (口を開いたヘラサギ)

Have a nice day!
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