健康小話

米国では大統領選からの撤退を迫られているﾊﾞｲﾃﾞﾝ大統領がｺﾛﾅに感染し療養を余儀なくされている.

一方, 日本でも新型ｺﾛﾅｳｲﾙｽのｵﾐｸﾛﾝ型から派生した変異ｳｲﾙｽ 「KP.3」 の感染が東京都や九州･沖縄などを中心に全国で拡大している.

2023 - 24 年の冬の第 10 波に続く第 11 波が始まった.

熱中症などでの救急搬送も増える中, 沖縄など医療体制の逼迫が深刻な地域も出始めている.

厚生労働省が 19 日発表したﾃﾞｰﾀによると, 全国約 5000 の定点医療機関から報告されたｺﾛﾅ患者数 (速報値) は 7 月 8 - 14 日に 1 機関当り 11.18 人と, 23 年夏の同時期の水準 (同 11.04 人) を上回った.

4 月 29 日 - 5 月 5 日 (同 2.27 人) から 10 週連続の増加だ. 全国約 500 の基幹定点医療機関では入院患者も急増しており, 注意が必要だ.

東京都医師会の尾崎 治夫会長は 16 日の記者会見で, 「このﾍﾟｰｽで行くと 1 ｶ月後には患者数が 3 - 4 倍になる可能性がある」と懸念を示した.

感染の主流となっているのは, 第 10 波で主流だった派生型「JN.1」に新たな遺伝子変異が加わった KP.3 だ. 東京都のｹﾞﾉﾑ解析では 6 月 24 - 30 日に KP.3 が全体の 87% を占めた. 全国的に KP.3 は主流へと置き換わっている.

世界保健機関 (WHO) は KP.3 を「監視下の変異型 (VUM)」に指定し, 動向を注視している. 東京大学医科学研究所などの研究によると, KP.3 は JN.1 よりも免疫から逃れる性質が強い.

前回のﾜｸﾁﾝ接種や感染から時間が経って体内の抗体が減っている人が多い. ｺﾛﾅに注意する意識が薄れて感染対策が殆どなくなっている事もあり, 流行は拡大し易い.

感染症に詳しい東京医科大学病院の浜田 篤郎客員教授は 「毎年夏にｺﾛﾅ感染が増える傾向にあるが, KP.3 は免疫があっても再感染 易い免疫逃避の特徴がある様だ」 と指摘している.

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