(5659) 赤ちゃんの原因不明の病気, 全ゲノム解析で特定し治療2025/04/29 01:51

病気の原因が分らない赤ちゃんの遺伝情報 (ゲノム) を解析し, 原因を特定する取り組みが全国で広がっている, と日経が報じている.

慶応大学など全国 134 施設が研究に参加し, これまで 467 人の重症の赤ちゃんを調べ, 約半数で原因を特定出来た.

内, 半数は治療などに役立ったと言う.

「新生児期に発症する遺伝性疾患の診断は非常に難しい」. 岡山大学の武内 俊樹教授 (小児神経科) はこう話す.

新生児集中治療室 (NICU) に入院する 1 割弱の赤ちゃんは遺伝性疾患を持つとされる.

ただ, 赤ちゃんは症状を自分で説明出来ない. 血液が少なく原因究明のために何度も採血するのは難しい. 体の組織も大人に比べて未熟で, 症状がはっきりしない事も珍しくない.

19 年, 研究チームは全ゲノム解析で病気の原因を特定するプロジェクトを開始した. 患者家族の同意の下, 赤ちゃんと両親から採血し, 網羅的に遺伝子解析する.

遺伝子解析はこれまでは慶応大, 4 月以降は岡山大が担う. 結果は担当医と検討の後, 臨床遺伝専門医と担当医を交え患者家族にフィードバックする.

研究を始めた当初は常勤の臨床遺伝専門医が病院にいる事などが研究への参加条件だったが, 22 年から条件を緩和, 参加施設数は約 20 から 130 超になった.

病院に遺伝専門医がいない場合, チームの遺伝専門医がオンラインや対面で患者家族への説明に同席する仕組みを整えた.

現在の参加施設で全国の NICU 病床数の約半数をカバーする.

肝臓の病気を疑って, 肝臓移植の準備を進めていた処, 全ゲノム解析により白血病と判明し, 抗癌剤の投与を始めたと言う事例もある.

開始当時は生後半年までの赤ちゃんを対象にしていたが, 今は生後 2 カ月までとしている.

遺伝子異常が見付かった赤ちゃんには, 親から受け継いだケースだけでなく, 突然変異によって起ったケースも少なくなかったと言う.

原因が判った赤ちゃんの半数は原因に対応した効果的な治療や, 負担の少ない検査に繋がった.

例えば生後 5 カ月で風邪を引き調子を崩した赤ちゃんは容体が急速に悪化し, 重篤な状態に陥った.

ゲノム解析で血液検査から 13 日後に 「ビタミン輸送体異常症」 と診断を付け治療を開始, 救命に繋がった.

海外でも新生児のゲノム解析を行う取り組みが進む.

英国民医療制度 (NHS) は現在, 新生児最大 10 万人を対象に 200 以上の遺伝性疾患の検査をするプロジェクトニ取り組む.

出生直後の臍の緒の血液から, 幼児期に治療が出来る疾患の原因遺伝子を分析する.

早期診断と治療が出来る様になり, 更に稀な疾患の進行を遅らせられる可能性もあるとしている.

現在国内の取り組みは国の資金で賄われているが, 数年後には研究期間が終了する. 今後どう社会実装を進めるかが課題となる.

武内教授は 「こども家庭庁とも相談しながら, 蓄積したノウハウを生かして行きたい」 と強調する.

本日のカット写真 : 下平 宏氏フォトギャラリーから (諸葛菜にナミアゲハ)

Have a nice holiday!
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