(5660) 介護装置, ラボで検証 : 入浴や服薬で導入し易く ― 2025/04/30 02:06

訪問介護サービス最大手のニチイ学館は, 現場で使う先端の機器や装置を検証する為の 「介護ラボ」 を開設すると言う.
自宅を訪問して介護サービスを提供する在宅介護の領域では, 施設型の介護と比較してテクノロジーの導入が進んでいない.
介護現場の人手不足を念頭に, 機器の効率的な導入を進め, スタッフの負担軽減に繋げる.
4 月にニチイの新宿支店 (東京・新宿) を拠点に 「GENBA SMILE Lab (ゲンバスマイルラボ)」 の名称で設置し, 装置や機器の訪問介護の現場での活用について, 使い方や効果の検証をスタートさせた.
例えば, 要介護者の体を洗浄する装置.
2 月に先行的に開いた検討会では, 警備・防犯用品の製造販売を手掛ける金星 (東京・千代田) の販売するウルトラファインバブル発生装置 「ピュアット」 の活用を検証した.
ピュアットは直径 0.001 ミリメートル以下の微細な泡をお湯の中に発生させ、浸かるだけで体の汚れを落す機能を持つ. 介護付き有料老人ホームなどの一部の施設では導入が進んでいる.
ただ, 装置は大型で高額な為, 訪問介護では余り使われて来なかった.
検討会では 「こすり洗いが不要で皮膚トラブルの軽減が期待出来る」 など介護スタッフの意見を参考に, どの様な要介護者に向くかと言った議論が交わされた.
今後は, 従事者の腰などの負担を軽減する 「移乗支援」 のロボットや服薬管理システム, 「NICOBO」 などのコミュニケーションロボットの有効な活用法について検証する計画と言う.
高齢者らの徘徊を防止する為の顔認証システムの使い方も研究する.
利用者が通過した出口を特定するサービスを導入する場合, カメラを何処に設置すると効果的か, などを検証し, 導入に繋げる.
訪問介護最大手のニチイには, 全国に 1 万 6 千人以上の訪問介護スタッフがいる. 介護ラボで定期的に開く検討会には、初期段階から介護スタッフに参加して貰う. 利用する側の意見を重視し, サービスの質向上に繋がる様にする.
介護向けではないが介護の現場で使えそうな製品を販売している企業に声を掛け, 開発者らを検討会などに招く事も視野に入れる.
ラボ所長を務める松本 裕美子氏は 「テクノロジーを導入したものの, 現場に馴染まず, 効果を発揮出来ないケースもある. スタッフの負担軽減に繋げ, 介護の仕事をより長く続けられるものにしたい」 と話す.
介護の現場では人手不足が深刻化している.
厚生労働省の推計では, 2040 年度には 272 万人の介護従事者が必要となる. 23 年度の介護職員数は前年度比 2 万 9000 人減の 212 万 6000 人で, 00 年に介護保険制度が始まって以来, 初めて減少に転じた.
一方で, 介護サービスを必要とする要介護と要支援の認定者数は 23 年度に 705 万人と過去最高を更新している.
介護を必要とする人と従事者の乖離は広がっていく可能性もある.
介護施設における先端技術の活用は, SOMPO ホールディングス傘下で介護事業を手掛ける SOMPO ケア (東京・品川) が牽引する.
同社は 19 年に実証施設 「Future Care Lab in Japan」 を開設し, ペット型ロボットの効果などを検証して来た.
有効性が確認出来たものは, 先ず SOMPO ケアの施設で導入し, 職員が評価した上で介護向けに使っている.
これまでに, マットレスの下に敷けば睡眠の状態や呼吸数などバイタルデータを取得出来る睡眠センサーや, 排泄ケア デイサービス施設への通所や在宅など訪問介護では, テクノロジーの活用は遅れている.
介護ロボットの導入に関する厚生労働省の調査によると, 移乗支援機器の導入率が「入所・泊まり・居住系」では 10% だったが, 「訪問系や通所系」 では 1% 前後に止まる.
入浴支援機器では, 入所・泊まり・居住系の事業者で 11%, 通所系が 9% となっている.
NTTデータ経営研究所は 「在宅介護事業所は介護施設の約 5 倍の 18 万カ所が存在する」 とした上で, 機器の小型化が必要な事や個別対応だとコストが高額になる事などが, テクノロジー導入の遅れに繋がっていると指摘する.
ニチイは訪問介護の他, グループホームや通所介護の事業も手掛けている. 複数の介護サービスで製品を評価して訪問介護における効率的なテクノロジーの活用を体系化し, 業界全体に普及する役割を自負している.
訪問介護に関しては, 国の規定も整備が十分ではない.
24 年度の介護報酬改定で介護付き有料老人ホームなどの施設で ICT を活用した場合は介護報酬に加算出来る様になったが, 訪問型は対象に含まれていない.
ニチイは今後, ゲンバスマイルラボで先端機器の効果に関するデータなどを収集する. ICT の利用が訪問介護においても重要な事を実証し, 介護報酬に加算されるよう国に働き掛けると言う.
本日のカット写真 : 下平 宏氏フォトギャラリーから (囀るウグイス)
Have a nice day!
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・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
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(E-Mail ; tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
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自宅を訪問して介護サービスを提供する在宅介護の領域では, 施設型の介護と比較してテクノロジーの導入が進んでいない.
介護現場の人手不足を念頭に, 機器の効率的な導入を進め, スタッフの負担軽減に繋げる.
4 月にニチイの新宿支店 (東京・新宿) を拠点に 「GENBA SMILE Lab (ゲンバスマイルラボ)」 の名称で設置し, 装置や機器の訪問介護の現場での活用について, 使い方や効果の検証をスタートさせた.
例えば, 要介護者の体を洗浄する装置.
2 月に先行的に開いた検討会では, 警備・防犯用品の製造販売を手掛ける金星 (東京・千代田) の販売するウルトラファインバブル発生装置 「ピュアット」 の活用を検証した.
ピュアットは直径 0.001 ミリメートル以下の微細な泡をお湯の中に発生させ、浸かるだけで体の汚れを落す機能を持つ. 介護付き有料老人ホームなどの一部の施設では導入が進んでいる.
ただ, 装置は大型で高額な為, 訪問介護では余り使われて来なかった.
検討会では 「こすり洗いが不要で皮膚トラブルの軽減が期待出来る」 など介護スタッフの意見を参考に, どの様な要介護者に向くかと言った議論が交わされた.
今後は, 従事者の腰などの負担を軽減する 「移乗支援」 のロボットや服薬管理システム, 「NICOBO」 などのコミュニケーションロボットの有効な活用法について検証する計画と言う.
高齢者らの徘徊を防止する為の顔認証システムの使い方も研究する.
利用者が通過した出口を特定するサービスを導入する場合, カメラを何処に設置すると効果的か, などを検証し, 導入に繋げる.
訪問介護最大手のニチイには, 全国に 1 万 6 千人以上の訪問介護スタッフがいる. 介護ラボで定期的に開く検討会には、初期段階から介護スタッフに参加して貰う. 利用する側の意見を重視し, サービスの質向上に繋がる様にする.
介護向けではないが介護の現場で使えそうな製品を販売している企業に声を掛け, 開発者らを検討会などに招く事も視野に入れる.
ラボ所長を務める松本 裕美子氏は 「テクノロジーを導入したものの, 現場に馴染まず, 効果を発揮出来ないケースもある. スタッフの負担軽減に繋げ, 介護の仕事をより長く続けられるものにしたい」 と話す.
介護の現場では人手不足が深刻化している.
厚生労働省の推計では, 2040 年度には 272 万人の介護従事者が必要となる. 23 年度の介護職員数は前年度比 2 万 9000 人減の 212 万 6000 人で, 00 年に介護保険制度が始まって以来, 初めて減少に転じた.
一方で, 介護サービスを必要とする要介護と要支援の認定者数は 23 年度に 705 万人と過去最高を更新している.
介護を必要とする人と従事者の乖離は広がっていく可能性もある.
介護施設における先端技術の活用は, SOMPO ホールディングス傘下で介護事業を手掛ける SOMPO ケア (東京・品川) が牽引する.
同社は 19 年に実証施設 「Future Care Lab in Japan」 を開設し, ペット型ロボットの効果などを検証して来た.
有効性が確認出来たものは, 先ず SOMPO ケアの施設で導入し, 職員が評価した上で介護向けに使っている.
これまでに, マットレスの下に敷けば睡眠の状態や呼吸数などバイタルデータを取得出来る睡眠センサーや, 排泄ケア デイサービス施設への通所や在宅など訪問介護では, テクノロジーの活用は遅れている.
介護ロボットの導入に関する厚生労働省の調査によると, 移乗支援機器の導入率が「入所・泊まり・居住系」では 10% だったが, 「訪問系や通所系」 では 1% 前後に止まる.
入浴支援機器では, 入所・泊まり・居住系の事業者で 11%, 通所系が 9% となっている.
NTTデータ経営研究所は 「在宅介護事業所は介護施設の約 5 倍の 18 万カ所が存在する」 とした上で, 機器の小型化が必要な事や個別対応だとコストが高額になる事などが, テクノロジー導入の遅れに繋がっていると指摘する.
ニチイは訪問介護の他, グループホームや通所介護の事業も手掛けている. 複数の介護サービスで製品を評価して訪問介護における効率的なテクノロジーの活用を体系化し, 業界全体に普及する役割を自負している.
訪問介護に関しては, 国の規定も整備が十分ではない.
24 年度の介護報酬改定で介護付き有料老人ホームなどの施設で ICT を活用した場合は介護報酬に加算出来る様になったが, 訪問型は対象に含まれていない.
ニチイは今後, ゲンバスマイルラボで先端機器の効果に関するデータなどを収集する. ICT の利用が訪問介護においても重要な事を実証し, 介護報酬に加算されるよう国に働き掛けると言う.
本日のカット写真 : 下平 宏氏フォトギャラリーから (囀るウグイス)
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