血中コレステロール値は低い方が良いか? ― 2010/11/12 03:19

健康診断時の血液検査で, コレステロール値の異常を指摘される人が増加傾向を示していると言う.
コレステロール値に異常があっても, 自覚症状は全くないので, そのまま放置してしまう人が少なくない.
然し, コレステロール値の異常は, 何れ動脈硬化を惹き起し, 心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系の障害を発症し易いので, きちんとした対応が大切である.
コレステロールには 2 種類あって, 高比重リポ蛋白 (HDL = High Density Lipoprotein) と低比重リポ蛋白 (LDL = Low Density Lipoprotein) とである.
HDL は, 全身の細胞や血管壁に溜まった, 過剰なコレステロールを回収して肝臓に運ぶカプセルで, 肝臓でコレステロールが分解される事から, コレステロールの回収能力を示す
HDL をして "善玉コレステロール" と称する. 従って, HDL コレステロールは数値が低過ぎると, コレステロールを充分に回収できなくなるので, 低過ぎるのも動脈硬化の原因となるのである.
一方, LDL は, 肝臓で造られたコレステロールを全身の細胞に運ぶ作用を担ったカプセルであり, これが本来の働きをするコレステロール量を意味する.
LDL コレステロールは, なくてはならない大切な栄養素で, 細胞膜を構成する重要な成分である.
例えば, 血球 (細胞) の膜はぎっしり並んだリン脂質の間に, コレステロールが挟み込まれた構造をしているのである.
また, コレステロールは幾つかのホルモンの原料にもなっている.
更に, コレステロール値が低過ぎると鬱病に罹り易いとされている事に加え, 脳卒中や癌のリスクが大きくなり死亡率が高くなる事も判って来ている程である.
(或る調査では, 長寿者のコレステロール値は 210 - 240 mg/dl と, やや高目であったとの報告もある.)
然し乍ら, 血中の LDL コレステロール値が高くなり過ぎると, その一部が血管内皮の下に潜り込んでしまい, 白血球の一種であるマクロファージがこれを異物と認識するため, 貪食して膨れ上がり, それが血管内に溜まる様になる.
すると血管を囲む平滑筋の細胞までが血管壁に入り込んで来る様になり, 結果として瘤の様になって血管を狭め (これをプラークと言う), 血流が悪くなってしまうのが動脈硬化なのである.
それ故, LDL コレステロールは "悪玉コレステロール" と称されているのである.
これら血液中の脂質の数値が悪い状態を "脂質異常症" と呼んでいるが, LDL コレステロール値と HDL コレステロール値のバランス (LH 比 = LDL / HDL) を 1.5 以下に維持する事が望ましいとされている.
動脈硬化性疾患の発症を予防するには, 1) 禁煙, 2) 食生活の改善, 3) 適度な運動, 4) 適正体重の維持と内臓脂肪の減少, の 4 つが重要である.
内臓脂肪は, 血液中の脂の一種である中性脂肪 (トリグリセリド) が増え過ぎると増加し, 肥満を招き, 生活習慣病の原因となるのであるが, エネルギーの貯蔵, 体温維持, 臓器の保護など大切な働きを有している.
脂質異常とは, 空腹時の血清 1 dL 当りの LDL が 140 mg 以上, または HDL が 40 mg 未満, または中性脂肪が 150 mg 以上を指す.
日本動脈硬化学会の 2007 年の予防ガイドラインでは, 6 つの危険因子を挙げ, コレステロールの目標値を定めている.
即ち, 1) 男性は 45 歳以上, 女性は 55 歳以上, 2) 高血圧, 3) 糖尿病, 4) 喫煙, 5) 家族に心筋梗塞など冠動脈疾患に罹った人がいる, 6) HDL コレステロール値が 40 mg/dL 未満, の 6 つである.
上記のうち, 危険因子が 1 つもなければ "低リスク群", 1 - 2 個は "中リスク群", 3 個以上は "高リスク群" に分類されるのであるが, 糖尿病, 脳梗塞, 閉塞性動脈硬化症の何れかの疾患があれば, 当然ながら, "高リスク群" となる.
従って, 危険因子が多いほど LDL コレステロールの目標値は厳しくなるのは言うまでもない.
低リスク群は 160 mg/dL 未満, 中リスク群は 140 mg/dL 未満, 高リスク群は 120 mg/dL 未満となっている.
また, 少なからずの人が 「高コレステロール食品」 として, 肉や卵などを敬遠するが, コレステロールは体内で合成される量が」圧倒的に多く, 食品からの影響は殆どないと言える.
卵を毎日 1 個食べてもコレステロール値が高くなる事は先ずないと言えるので, 安心してよい.
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
English speaking clients are welcomed!
Oil massage is available!
コレステロール値に異常があっても, 自覚症状は全くないので, そのまま放置してしまう人が少なくない.
然し, コレステロール値の異常は, 何れ動脈硬化を惹き起し, 心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系の障害を発症し易いので, きちんとした対応が大切である.
コレステロールには 2 種類あって, 高比重リポ蛋白 (HDL = High Density Lipoprotein) と低比重リポ蛋白 (LDL = Low Density Lipoprotein) とである.
HDL は, 全身の細胞や血管壁に溜まった, 過剰なコレステロールを回収して肝臓に運ぶカプセルで, 肝臓でコレステロールが分解される事から, コレステロールの回収能力を示す
HDL をして "善玉コレステロール" と称する. 従って, HDL コレステロールは数値が低過ぎると, コレステロールを充分に回収できなくなるので, 低過ぎるのも動脈硬化の原因となるのである.
一方, LDL は, 肝臓で造られたコレステロールを全身の細胞に運ぶ作用を担ったカプセルであり, これが本来の働きをするコレステロール量を意味する.
LDL コレステロールは, なくてはならない大切な栄養素で, 細胞膜を構成する重要な成分である.
例えば, 血球 (細胞) の膜はぎっしり並んだリン脂質の間に, コレステロールが挟み込まれた構造をしているのである.
また, コレステロールは幾つかのホルモンの原料にもなっている.
更に, コレステロール値が低過ぎると鬱病に罹り易いとされている事に加え, 脳卒中や癌のリスクが大きくなり死亡率が高くなる事も判って来ている程である.
(或る調査では, 長寿者のコレステロール値は 210 - 240 mg/dl と, やや高目であったとの報告もある.)
然し乍ら, 血中の LDL コレステロール値が高くなり過ぎると, その一部が血管内皮の下に潜り込んでしまい, 白血球の一種であるマクロファージがこれを異物と認識するため, 貪食して膨れ上がり, それが血管内に溜まる様になる.
すると血管を囲む平滑筋の細胞までが血管壁に入り込んで来る様になり, 結果として瘤の様になって血管を狭め (これをプラークと言う), 血流が悪くなってしまうのが動脈硬化なのである.
それ故, LDL コレステロールは "悪玉コレステロール" と称されているのである.
これら血液中の脂質の数値が悪い状態を "脂質異常症" と呼んでいるが, LDL コレステロール値と HDL コレステロール値のバランス (LH 比 = LDL / HDL) を 1.5 以下に維持する事が望ましいとされている.
動脈硬化性疾患の発症を予防するには, 1) 禁煙, 2) 食生活の改善, 3) 適度な運動, 4) 適正体重の維持と内臓脂肪の減少, の 4 つが重要である.
内臓脂肪は, 血液中の脂の一種である中性脂肪 (トリグリセリド) が増え過ぎると増加し, 肥満を招き, 生活習慣病の原因となるのであるが, エネルギーの貯蔵, 体温維持, 臓器の保護など大切な働きを有している.
脂質異常とは, 空腹時の血清 1 dL 当りの LDL が 140 mg 以上, または HDL が 40 mg 未満, または中性脂肪が 150 mg 以上を指す.
日本動脈硬化学会の 2007 年の予防ガイドラインでは, 6 つの危険因子を挙げ, コレステロールの目標値を定めている.
即ち, 1) 男性は 45 歳以上, 女性は 55 歳以上, 2) 高血圧, 3) 糖尿病, 4) 喫煙, 5) 家族に心筋梗塞など冠動脈疾患に罹った人がいる, 6) HDL コレステロール値が 40 mg/dL 未満, の 6 つである.
上記のうち, 危険因子が 1 つもなければ "低リスク群", 1 - 2 個は "中リスク群", 3 個以上は "高リスク群" に分類されるのであるが, 糖尿病, 脳梗塞, 閉塞性動脈硬化症の何れかの疾患があれば, 当然ながら, "高リスク群" となる.
従って, 危険因子が多いほど LDL コレステロールの目標値は厳しくなるのは言うまでもない.
低リスク群は 160 mg/dL 未満, 中リスク群は 140 mg/dL 未満, 高リスク群は 120 mg/dL 未満となっている.
また, 少なからずの人が 「高コレステロール食品」 として, 肉や卵などを敬遠するが, コレステロールは体内で合成される量が」圧倒的に多く, 食品からの影響は殆どないと言える.
卵を毎日 1 個食べてもコレステロール値が高くなる事は先ずないと言えるので, 安心してよい.
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http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
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