(2029) 身体の痛みは増, 心の苦悩は減2015/09/15 03:26

この程, 癌患者に関する興味ある報告が発表されている.

山口 建・静岡県立静岡がんセンター総長らの研究チームによるアンケート調査で判明したものである.

アンケート方式で, 癌の患者と体験者に悩みを尋ねた処, 10 年前に比べて再発の不安を中心とした 「心の苦悩」 の占める割合が減った一方, 抗癌剤の副作用など 「身体の苦痛」 が増えている事が明らかとなったのである,.

癌と診断された後に仕事を依願退職したり解雇されたりした人は 34.6% で, 10 年前の 34.7% から状況が改善されていない.

必要な支援としては, 勤務時間の短縮や長期休職できる制度, 癌や後遺症への周囲の理解を挙げる人が多かったと言う.

調査では 2013 年から, 各地の病院や患者会を通じ 4054 人に質問. 自由記述の回答からは 9775 件の悩みを抽出し分類している.

03 年にも同様の調査を行っており, 03 年と 13 年を比べると, 悩みの中で再発の不安や残される子供の心配など 「心の苦悩」 の件数が占める割合は 53.0% から 36.6% に減っている.

悩みを聴く体制が整備され, 漠然とした不安は減りつつあると見られるが, 経験者と交流したいとの要望も多かった様だ.

一方で, 薬物療法に伴う脱毛や痺れの他, 手術の後遺症や治療後の体力低下などの 「身体の苦痛」 は 15.1% から 22.8% に増加している.

理由としては, 手術後の薬物療法の普及で, 新たに副作用を経験する人が増えた事などが考えられると言う.

具体的な対処法の情報を望む声が上がっているとの事.

また, どの病院に掛かるか, どの薬剤を使うかと言った診療面の選択に纏わる悩みも 12.7% から 18.6% に増えていると言う.

結果は, 「国の今後の癌対策に生かすべく」 厚生労働省のがん対策推進協議会に提供される.

因みに, 私の施術所にも, 癌の後遺症としての脱毛や手足の痺れに関し, マッサージを受けて症状を緩和したいと言う患者さんもお見えになっている.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (ミサゴ・シリーズ)

Have a nice day!
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