酒気帯び運転をしないために2010/04/24 20:18

飲酒運転による事故撲滅が叫ばれてはいても, 飲酒運転による交通事故は一向になくならない. 誠に残念な事である.

お酒は食欲を増進させるし, ストレスを発散させ, 心身両面でリラックス効果を齎してくれることも事実である. が, アルコール濃度と交通事故率とは比例関係にある.

お酒は胃と小腸とで吸収され, 血液中に入り, 肝臓で種々の酵素によって代謝され, アセトアルデヒドに, その後, 酢酸となって最終的には炭酸ガスと水とに分解されるのである.

体重 10 kg 当りのアルコール分解能は 1時間当り 1 g とされている. 詰り, 体重 70 kg の人の場合, 1 時間のアルコール分解速度は 7 g となる. ビール大瓶 1 本 (633 ml) を呑んだとすると, ビールのアルコール濃度は 5% なので, 633 x 0.05 = 31 g の摂取量となり, 完全消失するまでには 31/7 = 4.5 時間掛かると言うことになるのである.

処で, 血中アルコール濃度と呼気中アルコール濃度とは比例関係にある事が判っており, 飲酒運転の取締では, 呼気中アルコール濃度を調べるのである. 酒気帯び運転の基準は, 「呼気中アルコール濃度が 0.15 mg/L」 となっており, これは血中アルコール濃度 0.03% に相当する (呼気中アルコール濃度 = 血中アルコール濃度 x 5).

呼気中アルコール濃度と事故率との関係は, 0.25 mg/L で 2 倍, 0.50 mg/L では 7 倍, 0.75 mg/L になると 25 倍に急増する. 取締基準が 0.25 mg/L から 0.15 mg/L に引下げられた背景は, この様な事実に基づいているのである.

アルコール濃度の関係から, ビールの濃度を 1 とすると, 概ねワインが 2 倍, 日本酒 で 3 倍と考えて良い. 言い換えると, 体重 70 kg の人が 1 時間で処理できるアルコールの量は 7 g 程度であるから, ビール中瓶 で 1/3, 日本酒で 0.3 合, ウィスキーだとダブルで 1/3 杯に相当する訳である.

「呑んだら, 運転しない. 運転するなら呑ませない.」 事の意味合いが判って戴けただろうか.

被害者やその家族に悲惨な思いをさせ, 一生を後悔して暮すことのない様に留意したいものである.
-----------------------------------------------------------
はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
English speaking clients are welcomed!