(1501) 学際の重み2014/04/05 03:06

この間, 日経の夕刊コラム 「あすへの話題」 に小林 善光三菱ケミカルホールディングス社長が "理系と文系" と題して以下の一文を寄せていた.

自然を対象とする学問を中心に履修すると 「理系」 と呼ばれる学生になり, 社会へ出て技術屋になる.

それが人間の活動を対象とする学問を主に履修すると 「文系」 になり, やがて事務屋になる.

そんな大雑把な括りが良くなかったのかもしれない.

サイエンスは対象が何であれ, 本質的に同じものだ. 自然科学, 社会科学及び人文科学という分類があるに過ぎない.

人は皆サイエンスの本質を学び, 在るべき態度を身につけなくてはならない筈なのだ.

世の中には然し, サイエンスは理系のものだという誤解が生まれている様に思う. 理系の者にしか分らず, 理系が仲間内でちゃんとやるべきだと思われてはいないだろうか.

この数十年, 自然科学は確かにどんどん進化し, フロンティアも更に拡張したから, 文系にとってますます 「縁遠いもの」 になってしまった. そこを私は憂慮するのである.

文系の人々に, もっと自然科学を好きになって貰いたい. 自然の真理を追い求め, 修め, 力に変えてゆく, その有難味と面白さを肌で感じ, ある種のファンになって欲しいのである.

それが理系の人間に出来ているとも思わない. 実は単なる専門オタクに留まっている可能性もある. ただ, 縁遠くは思っていない筈だ.

また私は, 自身が文理の選択で悩んだ経験もあり, 文系のサイエンスの方がより複雑で難解なものを対象としていると思う.

国民が皆サイエンス好き, 自然科学愛好家になったなら, きっと日本は良い国になる.

プロ野球の贔屓チームを応援する様に, お好み分野の新たな業績を期待する様になればしめたものだ. 理系と技術屋も, 似て非なるものだと以前から思っている.

以上であるが, なかなか重要な指摘であると思う.

学問の世界に限った事ではないが, 今は, 何事も細かく専門化し過ぎてしまっている様に思うのである.

一方では, 専門と専門との隙間を埋めると言うべきか, 高い山ほど裾野が広い様に, 専門をとことん突き詰めて行くと, それでは収まり切れない関連分野に如何しても踏み込まざるを得なくなってくる様に感じている. 
大学にも, 従来の学問では括り切れない "学際" の分野の学問が新たに生まれて来ているのは時代の要請であると思う.

原発事故も, 極論すれば, 原子力ムラという権力の巣窟に巣食う "専門バカ" が作り上げた 「安全神話」 が原因の一つであった訳である.

"サイエンスは対象が何であれ, 本質的に同じものだ. 自然科学, 社会科学及び人文科学という分類があるに過ぎない. 人は皆サイエンスの本質を学び, 在るべき態度を身に着けなくてはならない筈なのだ" との小林社長の指摘は正鵠を得ていると思うのである.

Have a nice weekend!
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