健康小話

宇宙飛行士の星出 彰彦さんが国際宇宙ｽﾃｰｼｮﾝで育てたﾒﾀﾞｶを調べた結果, 微小重力では骨を溶かす 「破骨細胞」 が活性化している事が分った, と東京工業大のﾁｰﾑが発表している.

宇宙に長期滞在すると骨密度が減る現象が知られており, 原因の一つの可能性がある.

高齢化に伴う骨粗鬆症の解明にも役立ちそうだ.

ﾁｰﾑは, 骨をつくる細胞と破骨細胞を蛍光色で見分けられるよう遺伝子操作したﾒﾀﾞｶを開発.

ﾛｼｱのｿﾕｰｽﾞ宇宙船でｽﾃｰｼｮﾝに運び, 2012 年 10 月から 2 カ月, 星出さんらが日本実験棟きぼうにある特殊な飼育装置で育てたのである.

星出さんが帰還時に持ち帰ったﾒﾀﾞｶなどを詳しく調べると, 破骨細胞の体積が増えて骨を分解する働きが高まり, ﾒﾀﾞｶの喉の奥にある骨の量が減少していたと言う.

破骨細胞は健康な人の体にもあり, 新たに作られる骨とﾊﾞﾗﾝｽを取りながら古い骨を分解する役目を担っている.

ご承知の如く, ｽﾃｰｼｮﾝに滞在する飛行士は, 薬を飲みながら運動を続けて骨が減らない様にしている.

ただ米航空宇宙局 (NASA) は将来, 年単位の期間を要する火星有人飛行を構想中である.

今回のﾒﾀﾞｶの実験結果が火星飛行士の健康維持に役立つとの期待もある様だ.

本日のｶｯﾄ写真 : 下平 宏 氏提供 (ｺﾌﾞﾊｸﾁｮｳ親子 ③)

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