(3234) iPSでマウスの脊髄を治療2018/12/14 02:16

慶応義塾大学の岡野 栄之教授らは, 慢性期の脊髄損傷になったマウスに人の iPS 細胞から作った神経のもとになる細胞を移植し, 症状を改善させる事に成功したと言う.

麻痺で十分に働かなかった後ろ脚の運動機能が回復したのである!

研究チームはこれまでに, 薬剤を加え遺伝子の働きを変える事で, 神経のもとになる細胞の癌化を抑える手法を開発していた.

この手法が神経細胞や 「軸索」 と言う部分の伸びを促す作用もある事に着目し, 今回の実験に応用した.

人の iPS 細胞から神経のもとになる 「神経幹細胞」 などを作製.

薬剤を加えて, 脊髄損傷が慢性化したマウス 10 匹にそれぞれ約 50 万個を移植した処, 自力で立ち上がれなかった状態から, 56 日後には移動出来るまでに改善した.

移植して定着した細胞のうち 7 割以上が神経細胞に育ち, 2 - 3 倍の量に軸索が再生した.

電子顕微鏡で詳しく観察すると, 再生した軸索にマウスの 「グリア細胞」 が巻き付いて保護していた.

人間の場合, 脊髄を損傷し約半年が過ぎると慢性期に入る. 慢性化すると回復が難しくなるとされ, これまでの処, 有効な治療法がない.

この手法の人への適用が早期に実現する事を期待したい.

Have a nice day!
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