(4023) Hero 蛋白質を発見2020/11/03 02:09

「Hero」 と名付けた奇妙な蛋白質が, 神経難病の原因となる蛋白質の凝集を防ぐ事を東京大学の泊 幸秀教授が突き止めた, と日経が報じている.

当該蛋白質はハエの寿命を延ばす働きも有していると言う.

なお, この発見には多くの学生のアイデアと閃きが凝縮されているとの事.

一般に, 蛋白質は決まった形をとっていて, 熱を加えると固まる性質がある.

然し, 実験室で 「ヘロヘロくん」 と呼んでいた Hero 蛋白質は, 決まった形を持たず, 熱を加えても固まらないと言う.

こうした耐熱性の蛋白質は, クマムシや種子など極限環境で生きる特殊な生物では存在が知られていた由.

けれども, ハエや人など一般的な環境で生きる生物にどの程度存在するのかは謎だったと言う.

2011 年, ある学生が, ハエの抽出液に熱を加えても性質が変らないへろへろした蛋白質が, 別の蛋白質を安定化する事を発見した.

この蛋白質の研究は一旦, お蔵入りしたが, 数年後に研究室に入って来た学生が本格的に研究を始めた.

ハエや人の細胞の抽出液を煮て, 固まった蛋白質を除いて残った液に, それぞれ数百種類も耐熱性の蛋白質が存在し, 他の蛋白質を変性から守っている事を突き止めた.

ある日, 別の研究員が 「ALS (筋萎縮性側索硬化症) という神お茶室経難病の原因の一つである特定の蛋白質の異常な凝集を防ぐ事が出来るかもしれない」 とアイデアを出した.

実験すると確かに蛋白質の凝集を防ぎ, 神経が正常に育つ事が判明したのである.

また, ハエの全身でこの蛋白質をより多く作らせると, 寿命が 3 割から 4 割延びる事も確認されたと言う.

「科学にコミュニケーションは欠かせない. 教授室はなく, コーヒーなどを飲む 『お茶室』 に私の机があるだけ. オープンな議論から自分一人では気付かない道筋や問題点が見えて来る. こうした環境が Hero 蛋白質の発見に繫がったと思う.」 と泊教授はコメントしている.

一人の独創的なアイディアが優れた発見・発明に繫がる事もあるが, 上記は, ホンダの 「ワイガヤ」 が新しい技術を生み出す事もあると言う事例の一つであろう.

Have a nice holiday!
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