(4133) iPS網膜, 新たな臨床研究へ,2021/02/21 02:36

神戸市立神戸アイセンター病院は, iPS 細胞を使って, 目の網膜治療を試みる, 新たな臨床研究を開始すると発表している.

光を感知する機能の維持に関わる 「網膜色素上皮細胞」 を作り, この細胞が失われて視力低下や視野の欠損などが起こる病気の患者に移植する.

近々 1 例目の手術を実施する予定と言う.

これまでは, 「滲出型加齢黄斑変性」 という一つの病気を対象に, 少数の患者に移植して安全性の確認を進めて来た.

これに対し, 今回は遺伝子異常や加齢など, 様々な原因で色素上皮細胞が傷む病気を一括して対象にする.

患者も 50 人と多くし, ものを見る機能の改善効果を確認する.

実用化出来れば, 現在は根本的な治療のない数万人が対象となる由.

研究責任者の栗本 康夫院長は 「患者に早く治療を届けたい」 とコメントしている.

患者は 20 歳以上で, 矯正視力が 0.3 以下か, 視野の欠損がある人になるが, 萎縮型加齢黄斑変性や網膜色素変性症の一部も含まれると言う.

研究には, 京都大が作製し備蓄していた他人の iPS 細胞を使い, 色素上皮細胞に成長させた上で 25 万個程を液体に混ぜ, 網膜に注射する.

移植後は 1 年間, 経過観察し, 細胞が定着し機能しているかを確かめる.

どの病気の患者に最も効果が出るか, 効果をどんな方法で調べるべきか, なども明らかにする.

その後も 3 年間は, 年 1 回ほど病院に来て貰い, 様子を見る事になると言う.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (白梅にメジロ ②)

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