(4465) 慶大, 脊髄損傷に iPS 初移植!2022/01/19 01:33

慶応義塾大学の岡野 栄之教授 (生理学) と中村 雅也教授 (整形外科学) らは 14 日, iPS 細胞から作った細胞を脊髄損傷の患者に移植する世界初の手術をした, と発表している.

計 4 人に移植する臨床研究の 1 例目で, 経過は順調だという. 1 年かけて安全性や有効性の検証を行う.

同日午前に開いたオンライン記者会見で, 岡野教授は 「やっと一例目の手術が出来て, 嬉しく思う. 様々な難関を乗り越え、ここまでやって来られた」 と語っている.

臨床研究の計画は 2019 年 2 月に厚生労働省の専門部会で了承されていたが, 新型コロナウイルス感染症の対応などで開始が遅れていた.

脊髄損傷は, 交通事故などによって脊髄が傷付き, 重症だと手足の麻痺など運動や感覚の障害が残る.

現在はリハビリで僅かに残る機能の回復を目指す位しかない.

慶大の臨床研究の対象となるのは, 脊髄が損傷してから 2 - 4 週間経過し, 運動と感覚が完全に麻痺した 「亜急性期」 の患者になる.

手術は慶大病院で 21 年 12 月に実施しており, 通常のリハビリもしながら, 安全性や運動機能の改善などの有効性を詳しく調べている.

中村教授は 14 日の記者会見で 「世界初の手術であり, 有効性が認められる可能性もあるが, 安全性の確認を第一としたい」 と話している.

臨床研究では, 京都大学 iPS 細胞研究所が第三者の細胞から作って保管している iPS 細胞を利用した.

iPS 細胞から神経のもとになる細胞 (神経前駆細胞) を作製して凍結保存しておき, 患者 1 人当り 200 万個の細胞を脊髄の損傷部に注射で移植する.

患者本人のものではなく他人の細胞を移植する為, 拒絶反応を抑える免疫抑制剤を使う.

先ずは最小限の数の細胞を移植し, 安全性を中心に検証する.

その後, 細胞数を増やした場合の有効性や, 脊髄の損傷から時間が経った慢性期の患者に対する安全性や有効性を調べる為の臨床試験 (治験) などの実施も検討すると言う.

脊髄損傷の国内の新規患者は年約 5000 人, 全国で 10 万人以上の患者が居るとされる.

再生医療が実現すれば, 先ずは特に亜急性期の患者で有効な治療法となる事が期待される.

iPS 細胞を使った再生医療では, 目の難病 「加齢黄斑変性」 やパーキンソン病, 重症心不全など臨床応用の対象が広がって来ている.

事故などで傷付いた神経細胞を修復する事が出来れば, 失った臓器や組織を再生する医療の可能性が広がる事になる.

Have a nice day!
-------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.