健康小話

大阪大学は血液 1 滴から喘息を判断する技術を開発したと言う.

血中にある微粒子から喘息と関連する蛋白質を検出する. 手軽に出来て, 患者負担の少ない診断技術の開発に役立つ由.

喘息患者は世界に約 2 億 6 千万人いるとされ, 年間の死者は約 50 万人に上る.

国内の患者は約 100 万人いるとされるが, 今回の技術は患者の 7 - 8 割を占める 「好酸球性喘息」 を判定する.

研究ﾁｰﾑは血液中に含まれる直径 100 ﾅﾉ (ﾅﾉは 10 億分の 1) ﾒｰﾄﾙ前後の微粒子 「ｴｸｿｿｰﾑ」 に着目した.

ｴｸｿｿｰﾑは体内のあらゆる細胞から放出され, 中に蛋白質や核酸, 脂質などを含んでおり, 細胞や臓器の間の情報伝達を担っているとされる.

健康な人や好酸球性喘息の患者, 他の喘息患者の血液中のｴｸｿｿｰﾑに含まれる蛋白質 3032 個を特定した.

その中から好酸球性喘息の患者が持つ特有の蛋白質 5 種類を見付けた.

阪大の武田 吉人准教授は 「ｴｸｿｿｰﾑに内包されているので, 蛋白質を安定的に捉えられる」 と話している.

喘息の診断には, 症状の他にｱﾚﾙｷﾞｰ検査や呼吸機能検査, 血液検査などが使われて来たが, 一部の好酸球性喘息の患者では診断出来なかったと言う.

また, 新技術は既存の手法で見付けられなかった患者を診断出来る可能性もある.

研究ﾁｰﾑは企業と連携して実用化を目指すと言う.

武田准教授は 「ｴｸｿｿｰﾑを観察する事で, 多様な喘息を見分けられる様になる」 と見ており, 他の喘息への応用も検討するとの事.

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