(5677) ALS の原因遺伝子に作用 (2)2025/05/17 02:58

日本ALS 協会 (東京・千代田) によると, 日本での ALS 患者の数は約 1 万人と推定される.

多くは 40 - 70 歳代に加齢に伴って発症する.

米国の研究 によると, 全世界の ALS 患者数は増加傾向にあり, 40 年までには 37 万人を超えると言う.

これまで疾患の原因に作用する薬はなく, 症状に対処して進行を遅らせる薬が主流だった. .

治療法に風穴を開けそうなのが, 今年 3 月に日本で発売された米バイオジェンの核酸医薬 「トフェルセン (製品名クアルソディ)」 だ.

ALS の患者は大きく 2 種類に分けられる.

両親や祖父母など家族に患者がおり, 遺伝により発症する 「家族性」 のケースと, それ以外の 「孤発性」 だ.

孤発性は患者の約 9 割を占め, 家族性は全体の約 5 - 10% とされる.

クアルソ.ディ.は基本的には家族性の ALS 患者向けの薬だ.

発症する原因が十分には解明されていない孤発性に対し, 家族性の ALS では, 原因遺伝子が 30 種類ほど見付かっている.

その内の 1 つに, 発症に関わる蛋白質 「SOD1」 を作る遺伝子がある.

SOD1 を作る遺伝子に変異があると, 異常な蛋白質が蓄積して神経細胞が壊れ, 筋力の低下などに繋がる.

バイオジェンによると, 日本では家族性 ALS の約 3 割にこの変異があり, 日本人の患者には最も多い遺伝子変異だと言う.

孤発性 ALS でも約 2% がこの遺伝子変異が関わっている.

バイオジェンが発売したクアルソディはこの SOD1 を作る遺伝子を標的とする. 蛋白質の設計図である mRNA (メッセンジャー RNA) に直接作用する核酸医薬で, クアルソディが mRNA に結合し, 異常な蛋白質の生成を抑えて進行を抑制する仕組みだ.

SOD1 に次いで 2 番目に多い 「FUS」 と言う原因遺伝子を標的とする.

24 年 11 月に米アイオニス ファーマシューティカルズから, 全世界を対象とした製造販売権を取得した.

現在同社と共同で日本を含むグローバルで最終段階の臨床試験 (治験) を進めており, 26 年にも治験結果が出ると見込んでいる.

ALS の治療はこれまで, グルタミン 酸の放出を抑制する 「リルゾール」 が長く使われて来た他, 15 年に田辺三菱製薬の 「エダラボン (製品名ラジカット)」 が ALS 向けに承認された.

24 年 11 月にはエーザイが 「ロゼバラミン」 を ALS 向けに発売した. 何れも 症状の進行を遅らせる薬だ.

エーザイはロゼバラミンの発売当初, ピーク時の患者数を 1300 人程と見込んでいたが, 25 年 1 月末時点で約 1700 人の患者に供給した.

需要が想定を超えたとして, 継続投与中の患者への安定供給を目的に 25 年 2 月中旬から限定出荷としている.

現行の製造設備での増産に加え, 新たな製造拠点と供給体制の追加を検討している.

安定的に出荷出来る時期を 27 年 3 月と想定する. エーザイ担当者は 「一日でも早く安定供給体制を整える事が出来るよう最善を尽す」 とする.

Have a nice weekend!
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