(1373) 医療の民主化2013/11/28 02:23

佐久総合病院小海診療所長である北沢 彰浩医師が 「医療の民主化」 を提唱している.

元々は, 同元病院長だった, 故若月 俊一先生が始めた運動らしい.

若月院長は 60 年掛けてこの佐久の地で 「医療の民主化」 を達成しようとしたが, 2 - 3 割しか達成出来なかった, と最後の記念講演で職員に語りかけたと言う.

北沢医師によると, その理由は 「医療の民主化は医療だけでは出来ない. 地域が民主化しなくてどうして医療だけが民主化出来ますか」 というものであった.

そもそも, 医療の民主化とはどういう意味なのか? 以下, 北沢医師の話の引用である.

若月院長の生前、院長を師と仰いでいた現 NHK 厚生文化事業団事業部チーフ・プロデューサー, 川村 雄次氏の解説が, 一番分り易く適切に説明していると言う.

「医療の民主化とは, 自分たちの問題を自分たち自身でとりあげ, 自分たち自身で解決の道を探れるようになる事」 です.

医療の民主化をこの様に理解するなら, 佐久地域はまだ実現していませんし, 日本の中で実現している地域はないのではないでしょうか.

医療の民主化のためには, 本当の意味での "住民参加" が必要になると考えるからです.

実は, 1969 年にアメリカの社会学者, シェリー・アーンスタインは住民参加の 8 つの段階について 「参加の梯子」 という表現で説明しています.

住民参加の 8 つ目の最終段階, 本当の意味での住民参加は 「住民によるコントロール」 の段階, 詰り 「住民主体」 です.

医療の民主化は、住民参加の最終段階の住民主体の段階を意味しているのです.

医療の民主化を叶える為に, 我々は参加の梯子を上るのですが, その時に新しい医療の定義の提案 「医療とは人がその人らしく生きるために医術で病気を治す事. 但し, 治らない病気の時は人がその人らしく最期まで生きられる様に寄り添い支える事」 が大事になります.

「寄り添い支える」 が医療の定義に入ると 「子供が熱を出すと親は子供に寄り添い支え, 高齢の親が寝込むと子は親に寄り添い支える」 ので, 医療の専門家でない自分たちも寄り添い支える医療の担い手である事に気付き, 医療をもっと身近なものに感じる事が出来る様になります.

それが参加の梯子を上るきっかけ, 医療の民主化を目指すきっかけとなります.

そして, 地域の皆で梯子を上り始めたら一段ずつしっかり踏みしめ, 最後の 8 段目に両足をかけて医療の民主化を皆で実現させたいものです.

以上, 北沢医師の提言は多くの示唆に富んでいると思うのである.

Have a nice day!
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