(1459) 糖尿病患者と心筋梗塞2014/02/22 02:47

次の様なデータがある.

2 型糖尿病の患者で, 重症の低血糖を起こした人は, 起こさない人に比べ, 心筋梗塞や脳卒中を発症するリスクが約 2 倍高くなる.

国立国際医療研究センターの研究グループが突き止めているのである.

糖尿病の治療では, 合併症などを防ぐために血糖値を下げるのであるが, 極端に低くなり過ぎない様, 適切な管理が大切とされている.

同センターの野田 光彦糖尿病研究部長と後藤 温上級研究員らのグループは, 疫学研究に関する 6 件の国際論文を解析し, 糖尿病患者約 90 万 3500 人分のデータから, 上記の結論に至ったと言う.

重症の低血糖が発生していたのは 0.6 - 5.8%. 重症の低血糖を全く起こさなかった人のリスクを 1 とすると, 1 回でも重症の低血糖を起こした人が心筋梗塞や脳卒中などを起こすリスクは 2.05 と高かったと言う.

重症の低血糖は, 血糖値が極端に低くなり, 意識がなくなったり, 他人の介助なしでは動けなくなったりする状態を指す.

薬などで血糖値を厳密に管理している患者の中で, 腎症などの合併症がある人や高齢者などで起き易いとされている.

これまで, 重症の低血糖になると血管が傷み易くなり, 死亡リスクが高まったり, 心筋梗塞などが起き易くなったりする可能性が指摘されてきたが, 証明はされていなかったのである.

野田部長は 「重症な低血糖になり易い人は, 血糖値の管理を少しだけ緩めるなどの工夫を, 医療スタッフと相談するのが望ましい」 とアドバイスしている.

先ずは, 糖尿病を発症しない様, 日頃の生活で心掛ける事が大事であろう.

本日のカット写真 : 伊・トスカーナ州 (ピサの斜塔)

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