(1612) 言葉の壁に挑む翻訳の労 - 『アナ雪』 ヒットに訳詞の妙2014/07/25 02:55

ディズニーのアニメ映画 『アナと雪の女王』 が記録的な大ヒットを飛ばしている.

日本での興行収入は, 7 月 23 日時点で 253 億円を突破, また, 累計の観客動員数は 1973 万人を超え, 『ハリー・ポッターと賢者の石』 を上回り, 公開 128 日間の速さで日本歴代 3 位, 世界歴代 5 位となり, アニメ映画としては世界歴代 1 位となったと言う.

処で, 昔は, 外国映画は 「吹き替え」 ではなく, 「字幕」 が殆どであった.

定かではないが, 吹き替えが多くなったのは, テレビで外国映画を放映する様になって以降の事である様に思う.

過日, 日経にこんな記事が載っていて, 「翻訳」 に対する認識を新たにしたのである. (「中外時報 - 言葉の壁に挑む翻訳の労」)

(以下, 引用)

映画の翻訳も然りだ。

字幕だと, 原則, 1 秒間に表示出来る日本語は 4 文字という制約があるという.

字幕も吹き替えも, それぞれ専門性が問われるが, ミュージカルなら更に 「訳詞」 という難題が立ちはだかる.

日本で歴代 3 位の興行収入を記録し, 今も公開中の米国のミュージカル・アニメ映画 「アナと雪の女王」.

配給元のウォルト・ディズニー・ジャパンによると, 吹き替え版をみる観客が約 9 割と, 字幕版より圧倒的に多い.

松 たか子さんら声優陣の魅力に加え, 「訳詞が分り易い」 と評判なのだそうだ.

アナ雪の全挿入歌の訳詞を担当した劇作家・翻訳家の高橋 知伽江さんに話を聞いてみた.

「訳詞は作詞に近い. メロディーが先にあり, アクセントやイントネーションが先に決まっている処に言葉を嵌め込む作業です.

原文をそのまま訳したら, 半分か 3 分の 1 しか入らない.

作家がセリフではなくなぜ歌にし, その歌に何を込めたか.

一番伝えなければならないメッセージをサビのメロディーに入れ, 一度耳で聞いた時に何の誤解もなく伝わる様にしなければなりません」

雪の女王エルサが歌う主題歌 「Let It Go ~ ありのままで ~」 の訳詞もこうして生まれた.

「ありのままの」 「ありのままで」 「これでいいの」 と変る訳詞. アニメでエルサの口元がはっきり見える場面は, 繰り返される末尾の 「Go」 を母音のオーで合わせ, 「ありの」 「ままの」 とした.

原作を最大限生かしながら, そこに日本人の琴線に触れる言葉を吹き込む. まさにパズルより難解だ.

「日本人は協調性を凄く求められる. 突出した事は喜ばれない. 自由な様で, 実は息苦しく生きているんです.

そこが嵌ったのかも知れません.

訳詞にどれほど神経が使われているか. 注目されたのは良い事ですが, 本来は裏方です.

勿論意味不明だと思われたら最悪で, 最初から日本語であったかの様に理解し, 楽しんで貰うのが一番」 という.

折から, 「赤毛のアン」 の翻訳者, 村岡 花子の半生を描いた NHK 連続テレビ小説 「花子とアン」 が放送中だ.

翻訳への関心も高まっている. 言葉の壁に挑み, 心を吹き込もうとする翻訳家の労に, 時には目を向け, 耳を傾けるのも悪くない.

(引用, 終り)

アナ雪大ヒットの裏には, 翻訳家のこんな言葉遣いの工夫があった事を知れば, また違った楽しみ方が出来るのではないか?

「初めに言葉ありき」 とは言われるが, 品性を疑われる野次もあれば, 人の運命を左右する一言もある.

たかが言葉, されど言葉. 人生, 言葉遣いに配慮して損をする事はない.

Have a nice day!
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