(3344) 血液を抜いて中皮腫予防2019/04/03 02:10

適切な量の血液を体外に排出する 「瀉血 (シャケツ)」 を行なう事で, 中皮腫の発症に関与する体内の鉄分を減らし, 予防などに役立つ可能性がある事を, ラットを使った実験で確認した, と 名古屋大の豊国 伸哉教授 (生体反応病理学) らの研究チームが発表している.

中皮腫は胸や腹部の臓器を覆う薄い膜にある中皮細胞の癌である.

殆どがアスベスト (石綿) の吸入が原因で発症するが, 早期診断が難しく, 予防法の開発が課題になっている.

豊国教授は 「瀉血は安全で副作用が少ない. 仕事でアスベストに触れた経験があるなど, 発症リスクが高い人たちの臨床試験に繫げたい」 とコメントしている.

豊国教授によると, 鉄は成人の体内に 4 グラム程存在しており, うち 60% は赤血球で酸素を運ぶ役割がある蛋白質 「ヘモグロビン」 の構成成分である.

アスベストが鉄を吸着する事などで局所的に鉄が過剰になると, 有害な活性酸素が発生し易くなり, 中皮腫の発症にも中心的な役割を果していると考えられると言う.

チームは, ラットの腹腔内にアスベストを注射し, 瀉血するグループとしないグループとに分けて実験を行なった.

瀉血するグループでは約 1 年に亘り, 月 4 回の頻度で血液を排出した.

その結果, 瀉血したグループでは, しなかったグループよりも血液中の鉄の量が減少し, 生存期間が長くなった.

また, 出来た腫瘍の重さも少なかったと言う.

話は変るが, 瀉血は元々東洋医学の鍼療法では確立した手法であった.

瀉血鍼と称する専用の鍼が存在している.

明治維新以降は鍼による 「観血療法」 が認められなくなった事からこの瀉血療法は受け継がれなくなってしまったのである.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (桜に翡翠 ②)

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