健康小話

認知行動療法研修開発ｾﾝﾀｰの大野 裕先生が日経に 「こころの健康学」 と言うｺﾗﾑを連載しておられる.

人間のこころの在り様について様々な考察がなされており, 私は何時も楽しみにしている. (以下引用)

その日に起きた良い事を夜に 3 つ書き出す 「ｽﾘｰ･ｸﾞｯﾄﾞ･ｼﾝｸﾞｽ」 がこころの健康に役立つと, 先週紹介した.

書き出す行為は, 良い事だけでなく, 良くない事が起きた時に気持ちを整理するのにも役に立つ.

良くない事が起きて動揺した時に, その出来事やその時の気持ち, 考えた事を書き出しているうちに気持ちが落ち着いて来る.

書くと言う行為を取る事で, 心理的な距離を取って自分自身について, そして自分が置かれた状況について眺める事が出来る様になるからだ.

良くない事が起きると, 自分に自信が無くなって来るし, 誰にも助けて貰えない様な孤独感が高まる.

将来への不安が強くなって, あれこれ良くない可能性を考える様になる. 無意識的に, 良くない可能性を改善する手立てを考え様としているのかもしれない.

然し, 良くない事が起きて悪い想像ばかりしていると, 過去に起った良くない事も思い出されて来る.

本来持っている自分の力や, 現実に起きている出来事の良い面に目が向かなくなる.

その結果, 自分を見失ってしまう事になる.

「書く」 と言う行為は自分を取り戻すきっかけになる.

何が起きているかを少し冷静になって見る事が出来る様になる.

書き出す行為が持つ力について, 私の患者さんが 「分身の術の様なものですね」 と表現した事があるが, その通りだ.

もう一人の自分を創り出せれば, 良くない事だけでなく, 良い事にも目が向く様になる. (引用終り)

本日のｶｯﾄ写真 : 下平 宏氏ﾌｫﾄｷﾞｬﾗﾘｰから (ﾐﾄﾞﾘｼｼﾞﾐ雄)

Have a nice weekend!
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