健康小話

京都府立医科大学などのﾁｰﾑは, 今年夏にも遺伝子を改変したﾌﾞﾀの腎臓をｻﾙに移植すると発表している.

ﾌﾞﾀの腎臓を人に移植する 「異種移植」 の実用化を見据え, 複数のｻﾙで移植後の長期的な経過などを確認するとの由.

治療の難しい腎臓病の患者向けに, 数年以内の臨床応用を目指している.

鹿児島大学と共同研究する.

明治大学発ｽﾀｰﾄｱｯﾌﾟのﾎﾟﾙ･ﾒﾄﾞ･ﾃｯｸ (川崎市) が誕生させた遺伝子改変ﾌﾞﾀを約 4 ｶ月育てて腎臓を取り出し, ｶﾆｸｲｻﾞﾙに移植する.

長期的な経過を確認する他, 移植の手法や免疫抑制剤の投与方法, 手術後の管理方法などの確立を目指すと言う.

腎臓病の患者の中には, 免疫による拒絶反応が起きる為, 他人の腎臓を移植し辛い人がいる.

ﾌﾞﾀの臓器では拒絶反応がない場合があると言い, 臨床応用の際にこうした患者が移植の候補者になると見られる.

ｻﾙへの移植実験と並行して, 人での安全性確認も進めるとの事.

患者の血液と遺伝子改変ﾌﾞﾀのﾘﾝﾊﾟ球を混ぜて拒絶反応が起きるか調べる予定と言う.

ﾎﾟﾙ･ﾒﾄﾞ･ﾃｯｸは 2 月, 人への移植を想定したﾌﾞﾀを国内で初めて誕生させた.

米ﾊﾞｲｵ企業のｲｰｼﾞｪﾈｼｽが開発した遺伝子改変ﾌﾞﾀと同じ遺伝情報を持つｸﾛｰﾝﾌﾞﾀであり, 今後も複数の個体を誕生させる見込みで, 研究ﾁｰﾑが活用する.

臓器移植は腎臓などが正常に働かなくなった患者向けの治療法だが, 脳死者と言った提供者 (ﾄﾞﾅｰ) を確保し辛い.

動物の臓器で代用する異種移植は多くの臓器を安定して供給出来る方法として期待されるが, 移植時に人の免疫が拒絶してしまうのが課題だった.

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