現代版健康十訓 ― 2009/07/02 09:59
予防栄養学研究者の家森幸男氏 (元武庫川女子大国際健康開発研究所長) は、長寿の為の 10 ヶ条として以下を挙げている。
1) 食塩を控え目に : 食塩を余り摂らないマサイ族の血圧は正常で元気 (厚生労働省の目標値は、一日 10 mg 以下となっている)
2) 脂肪, 特に動物性の摂り過ぎは良くない : 肉は茹でるなど一工夫を
3) 野菜・果物をたっぷり : 南米の町ビルカバンバの市場には所狭しと並ぶ
4) 乳製品を摂る : コーカサスのヨーグルトは今も毎朝私の朝食に登る
5) 魚や大豆で良質な蛋白質を : 短命な地域は何処も魚を食べない
6) 食事は大勢で賑やかに : グルジアでは大家族が皆揃う
7) 食材をバランス良く : 広州は海の幸や山の幸が沢山
8) 一日一膳 : 朝昼晩のどれか一回は身体に優しい食膳を
9) 長生きは勝ち取る : 世界中の長寿の里は何処も都市化で脅かされている
10) 前向きに明るく楽しく : 長寿地域の共通項
以上に加えて 「最後に忘れてならないのが “日本食パワー”。 日本の伝統食を味方にし世界の長寿文化に学べば, 健康寿命が更に延びる真の長寿国になるだろう」 と結んでいる。
1) 食塩を控え目に : 食塩を余り摂らないマサイ族の血圧は正常で元気 (厚生労働省の目標値は、一日 10 mg 以下となっている)
2) 脂肪, 特に動物性の摂り過ぎは良くない : 肉は茹でるなど一工夫を
3) 野菜・果物をたっぷり : 南米の町ビルカバンバの市場には所狭しと並ぶ
4) 乳製品を摂る : コーカサスのヨーグルトは今も毎朝私の朝食に登る
5) 魚や大豆で良質な蛋白質を : 短命な地域は何処も魚を食べない
6) 食事は大勢で賑やかに : グルジアでは大家族が皆揃う
7) 食材をバランス良く : 広州は海の幸や山の幸が沢山
8) 一日一膳 : 朝昼晩のどれか一回は身体に優しい食膳を
9) 長生きは勝ち取る : 世界中の長寿の里は何処も都市化で脅かされている
10) 前向きに明るく楽しく : 長寿地域の共通項
以上に加えて 「最後に忘れてならないのが “日本食パワー”。 日本の伝統食を味方にし世界の長寿文化に学べば, 健康寿命が更に延びる真の長寿国になるだろう」 と結んでいる。
8020 運動 ― 2009/07/15 14:42
80 歳になっても 20 本以上自分の歯を残そうと言う運動を厚生労働省が推進しているのをご存知だろうか? これを 8020 運動と称している。
自分の歯で食べ物を噛む事が出来ると、食材の持つ本来の美味しさを損なう事なく味わう事が出来るばかりでなく、唾液の分泌を促し、その結果消化を助けて胃の負担を軽くする事にも繫がるのである。 さらに歯を噛み合わせる事で脳が活性化し、認知症の予防にも効果があると言われている。
言うまでもなく、高齢になっても自分の歯で食べるためには、普段からオーラルケアを怠ること無く、口腔内環境を良好に維持して行く努力が必要である。 自分で出来るオーラルケアの基本は、食べ物の滓を材料に口腔内に棲みついている細菌が作り出す塊である “歯垢 (プラーク)” を溜めない様にする事で、この歯垢が虫歯や歯周病の原因となるのである。 ドラッグストアなどには色々な機能を持ったデンタルケア製品が売られているので、自分の目的に応じて歯ブラシや歯磨き剤などを選び、歯磨きを 1 日 2 回は丁寧に行う習慣を身に付けたいものだ。
噛む事によって唾液の分泌が促進されるが、唾液には、口の中の細菌の繁殖を防ぐ抗菌作用や、酸を中和させて虫歯を予防する緩衝作用に加え、酸で溶けた歯を修復する再石灰化作用と言う大切な働きも有している。 早喰いなどで片付けず、食事はゆっくり時間を掛けて、よく噛んで、味わいながら摂ると、満腹感も覚えるので食べ過ぎの予防にも効果がある。
自分の歯で食べ物を噛む事が出来ると、食材の持つ本来の美味しさを損なう事なく味わう事が出来るばかりでなく、唾液の分泌を促し、その結果消化を助けて胃の負担を軽くする事にも繫がるのである。 さらに歯を噛み合わせる事で脳が活性化し、認知症の予防にも効果があると言われている。
言うまでもなく、高齢になっても自分の歯で食べるためには、普段からオーラルケアを怠ること無く、口腔内環境を良好に維持して行く努力が必要である。 自分で出来るオーラルケアの基本は、食べ物の滓を材料に口腔内に棲みついている細菌が作り出す塊である “歯垢 (プラーク)” を溜めない様にする事で、この歯垢が虫歯や歯周病の原因となるのである。 ドラッグストアなどには色々な機能を持ったデンタルケア製品が売られているので、自分の目的に応じて歯ブラシや歯磨き剤などを選び、歯磨きを 1 日 2 回は丁寧に行う習慣を身に付けたいものだ。
噛む事によって唾液の分泌が促進されるが、唾液には、口の中の細菌の繁殖を防ぐ抗菌作用や、酸を中和させて虫歯を予防する緩衝作用に加え、酸で溶けた歯を修復する再石灰化作用と言う大切な働きも有している。 早喰いなどで片付けず、食事はゆっくり時間を掛けて、よく噛んで、味わいながら摂ると、満腹感も覚えるので食べ過ぎの予防にも効果がある。
熱中症 ― 2009/07/27 21:09
熱中症とは暑い環境で起る熱射病の総称で, 熱痙攣, 熱疲労, 熱射病 (日射病) の 3 段階がある.
人間は熱を産生したり, 放散したりする事によって, 常に体温を 36 度前後に保っている. 身体は暑いと皮膚に血液を多く送って冷却し, 発汗によって体温を下げる機能を持っている. けれども, 発汗が大量過ぎて脱水症状になるとこの働きが充分には機能しなくなり, 熱が体内に籠って腦の中枢機能に異常が起きる. この様に, 熱産生と熱放散の体温調節機能が障害されると熱中症になるのである.
熱中症は, 夏の炎天下に屋外で体育やスポーツに熱中する若者に多いと言う印象を持つ方が多いかも知れないが, 高齢者が閉め切った自宅の部屋で罹るケースも少なくない. また, 母親がパチンコに熱中している間に, 車中に置き去りにされた幼児が熱中症に罹って死亡したと言うニュースも時々耳にする. 特に夏期は乳幼児や高齢者に起り易いので注意が必要である.
最も重く死に至るのが「熱射病」. 体温が急激に上昇して 40 度を超えると, 所謂「ショック状態」となり, 意識がなくなってしまう. 極端な場合には, 多臓器不全となり, 死に至る事もある. 熱射病は幼児や病人, 老人は周囲の温度が高い状況が長く続くと罹り易い. 自宅室内であっても, 気温 25 度, 湿度 70% 以上は危険水域と言える. 寝ていても罹る事がある. 熱射病になると 40 度を超える高体温で血管の内膜に障害が起き, 殆どに出血傾向が現れる. 皮膚が赤くなる症状も出る. 小児や老人には余り発汗が見られないが, 運動中の若者は, 異常なほどの発汗や痙攣を起す. そして頭痛, 手足の知覚障害, 瞳孔散大等の諸症状が現れ, 失神や痙攣・ショック状態に進む. 呼び掛けても応答が鈍く, うわ言を発する様な時には, 直ぐに全身を冷やして, 救急車を呼んで病院へ連れて行かねば危険である. 熱射病にまで進行すると, 多臓器不全に陥り 3 時間と経たず死亡する危険があるからである.
一番軽いのは「熱痙攣」で, これは, 多量に発汗した結果, 塩分が欠乏し筋肉が痙攣を起すもの. スポーツで汗を掻き, 水分だけ補給して行くと, 塩分が失われ, 筋肉の興奮性が強まって筋肉痛を伴う痙攣が起きるのである. 平滑筋も痙攣するため, 腹痛や嘔吐, 口渇, 目眩, 頭痛も出るが, 体温は軽く上がる程度.である. 睡眠不足, 朝食を食べないなどの生活の乱れも下痢を招き, 熱中症の元になる. 脱水症状では集注力も落ちてトレーニング効果も低下する. 応急処置としては, 軽い眩暈や吐き気の場合であれば, 衣服を脱がせて日陰など風の流れる涼しい場所に移し, 適度の塩分を含んだスポーツドリンクないしは茶匙 1 杯 (5 G) 程度の塩を入れた水 (500 ml) 等を補給してやると良い.
一方, 「熱疲労」は発汗による脱水に加え, 身体の放熱反応が追いつかない状態を言う. 調整機能が破綻して体温は 41 度くらいまで上がり, 末梢血管が拡張して循環不全を起す. とにかく体温を下げる事. 処置が遅いと最も危険な「熱射病」に移行してしまう.
人間は熱を産生したり, 放散したりする事によって, 常に体温を 36 度前後に保っている. 身体は暑いと皮膚に血液を多く送って冷却し, 発汗によって体温を下げる機能を持っている. けれども, 発汗が大量過ぎて脱水症状になるとこの働きが充分には機能しなくなり, 熱が体内に籠って腦の中枢機能に異常が起きる. この様に, 熱産生と熱放散の体温調節機能が障害されると熱中症になるのである.
熱中症は, 夏の炎天下に屋外で体育やスポーツに熱中する若者に多いと言う印象を持つ方が多いかも知れないが, 高齢者が閉め切った自宅の部屋で罹るケースも少なくない. また, 母親がパチンコに熱中している間に, 車中に置き去りにされた幼児が熱中症に罹って死亡したと言うニュースも時々耳にする. 特に夏期は乳幼児や高齢者に起り易いので注意が必要である.
最も重く死に至るのが「熱射病」. 体温が急激に上昇して 40 度を超えると, 所謂「ショック状態」となり, 意識がなくなってしまう. 極端な場合には, 多臓器不全となり, 死に至る事もある. 熱射病は幼児や病人, 老人は周囲の温度が高い状況が長く続くと罹り易い. 自宅室内であっても, 気温 25 度, 湿度 70% 以上は危険水域と言える. 寝ていても罹る事がある. 熱射病になると 40 度を超える高体温で血管の内膜に障害が起き, 殆どに出血傾向が現れる. 皮膚が赤くなる症状も出る. 小児や老人には余り発汗が見られないが, 運動中の若者は, 異常なほどの発汗や痙攣を起す. そして頭痛, 手足の知覚障害, 瞳孔散大等の諸症状が現れ, 失神や痙攣・ショック状態に進む. 呼び掛けても応答が鈍く, うわ言を発する様な時には, 直ぐに全身を冷やして, 救急車を呼んで病院へ連れて行かねば危険である. 熱射病にまで進行すると, 多臓器不全に陥り 3 時間と経たず死亡する危険があるからである.
一番軽いのは「熱痙攣」で, これは, 多量に発汗した結果, 塩分が欠乏し筋肉が痙攣を起すもの. スポーツで汗を掻き, 水分だけ補給して行くと, 塩分が失われ, 筋肉の興奮性が強まって筋肉痛を伴う痙攣が起きるのである. 平滑筋も痙攣するため, 腹痛や嘔吐, 口渇, 目眩, 頭痛も出るが, 体温は軽く上がる程度.である. 睡眠不足, 朝食を食べないなどの生活の乱れも下痢を招き, 熱中症の元になる. 脱水症状では集注力も落ちてトレーニング効果も低下する. 応急処置としては, 軽い眩暈や吐き気の場合であれば, 衣服を脱がせて日陰など風の流れる涼しい場所に移し, 適度の塩分を含んだスポーツドリンクないしは茶匙 1 杯 (5 G) 程度の塩を入れた水 (500 ml) 等を補給してやると良い.
一方, 「熱疲労」は発汗による脱水に加え, 身体の放熱反応が追いつかない状態を言う. 調整機能が破綻して体温は 41 度くらいまで上がり, 末梢血管が拡張して循環不全を起す. とにかく体温を下げる事. 処置が遅いと最も危険な「熱射病」に移行してしまう.