健康小話

大阪大の石井 優教授らは, 「骨粗鬆症」 のﾏｳｽで, 原因となる細胞が骨を壊す様子を観察することに成功した, と過日発表している.

病気になると細胞の性質が変り, 酸を出して骨を壊していた, と言う.

「骨粗鬆症」 を初め, この細胞が関係する 「関節ﾘｳﾏﾁ」 や 「癌の骨転移」 などの新薬開発に役立つ事が期待できる様だ.

骨粗鬆症は 「破骨細胞」 が骨を異常に壊すことで起こり, 国内患者は 1000 万人以上と見做されている.

これまで, 破骨細胞が骨を壊す詳細な仕組みは不明だったのである.

石井教授らは, 解像度を 10 倍以上高めた, 特殊な顕微鏡を改良し, ﾒｶﾆｽﾞﾑの解明に成功したと言う.

骨粗鬆症のﾏｳｽの頭や太腿の骨をみると, 破骨細胞は骨の表面に張り付いて酸を出していた事が確認された.

破骨細胞には, 酸を出す状態と出さない状態があり, 骨粗鬆症では 9 割以上が酸を出すﾀｲﾌﾟだった由.

また, 炎症を促す細胞によってﾀｲﾌﾟが変化したと言う.

石井教授らは, 人でも同様の仕組みがあるとみている.

関節ﾘｳﾏﾁの治療も, 最近は, ﾊﾞｲｵ医薬品により患者の苦痛を大分緩和できる様になってきた.

けれども, 私の患者さんにも関節ﾘｳﾏﾁの方がおられるが, 治療に要する時間と費用とに悩まされており, QOL の低下も無視できない状況である.

早期の新薬開発に繋がる事を期待したい.

＜本日のｶｯﾄ写真 (ｺﾌﾞﾊｸﾁｮｳ) 提供 : 下平 宏 氏＞

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