(1348) DV を目撃すると, 子供の脳は萎縮する!2013/11/03 03:58

相変わらず親の子どもへの虐待が後を絶たない.

この間も, 生まれたばかりの赤ちゃんを次々と遺棄した事件が報道された.

処で, 福井大子どものこころの発達研究センターの友田 明美教授らの研究によると, DV (ドメスティックバイオレンス) を日常的に目撃した子供は, 目で見たものを認識する脳の視覚野の一部が萎縮する傾向がある, という.

両親間の暴力や暴言を吐く場面など, DV の目撃が, 成長後も心の病といった形で影響を与える, と心理学などでは指摘されている.

友田教授は 「DV を見た嫌な記憶を何度も思い出す事で, 脳の神経伝達物質に異変が起き, 脳の容積や神経活動が変化して, 様々な精神症状を引き起こすのではないか」 と推測している様だ.

友田教授は米ハーバード大と共同で, 直接虐待を受けたことはないが, 夫婦間の DV を目撃してきた 18 - 25 歳の男女 22 人と, 目撃した経験がない同年代 30 人の脳を, 磁気共鳴画像装置 (MRI) を使い比較したのである.

その結果, 右脳の視覚野にある一部は, 目撃した経験がある男女では, 平均で約 6.1% 小さく, 約 6.5% 薄かった. 左脳の視覚野にある一部も約 6% 薄かった.

目撃した時期などの聞き取りから, 脳が最も影響を受け易い年齢は 11 - 13 歳で, 身体的な暴力より, 暴言の方が子供の脳に深刻な影響を与える事も分ったと言う.

友田教授は 「DV を目撃した子供には, 早期にしっかりした心のケアをする事が必要だ」 とし, 「幼少期の体験が脳を変えるメカニズムが明確になれば, 治療などに生かせるだろう」 と考えている由.

友田教授らは 2005 年に調査を開始. 米マサチューセッツ州にある町の地下鉄やバス停に協力を呼び掛けるチラシを張り出し, 集まった 1662 人から聞き取りなどをして 52 人を抽出, 脳を解析したと言う.

なかなかに興味ある研究結果である.

Have a nice weekend!
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