(1586) 人間って複雑2014/06/29 03:12

前駐米大使だった藤崎 一郎さんが, 昨年, 日経夕刊のコラム 「あすへの話題」 で "人間いろいろ" と題して次の様な一文を寄せていた.

「児玉さん, 今日もどこかで戦 (ユッサ) がごわすか」. 日露戦争たけなわの時の, 総司令官大山 巌元帥の有名な科白だ.

指揮を総参謀長の児玉 源太郎大将に委ね切った大山の, 茫洋とした大人物ぶりを示すものとされる.

司馬 遼太郎 「坂の上の雲」 もそう解釈している.

然し今村 均陸軍大将回顧録の中の上原 勇作元帥の解説は違う.

実は, 大山元帥は祭り上げられていた.

兵の生死が心配なのに総司令部の参謀たちは忙しがって戦況報告に来ない. 日頃上原 (当時第四軍参謀長) らにこぼしていた.

冒頭の科白は 「児玉さん, 戦況は報告しなけりゃなりませんよ」 と不満の意思を婉曲に表現したものだったという.

組織人にはピンとくる説明だ.

広田 弘毅元総理は, 城山 三郎 「落日燃ゆ」 では, 戦争拡大に抵抗したのに, 極東裁判では一言も弁明せず死刑になった剛毅の人として描かれる.

外務省で九年後輩の石射 猪太郎の回顧録は違う.

若い時は堂々としていたが, 広田は地位が上がるにつれ, 軍に対してもの申さなくなったと言う. 確かに吉田 茂ら他の外務省英米派が軍から警戒された中で栄進した.

山本 五十六, 白洲 次郎などについても諸説がある.

若い人から 「尊敬する歴史上の人物は誰ですか」 とよく聞かれる.

私の定番の回答.

「作家が人物像を割り切って書くからこそ伝記や歴史小説は面白い. でも, 大抵の人間はそんなに一面的ではないでしょう. 誰かの本を読んで直ぐ鵜呑みにしない方がいいですよ」

人生は色々だし, 人間の見方も色々だ.

そうですよね, 島倉さん. 長い間お疲れ様でした.

以上であるが, 東洋医学では陰陽論の考え方が基本にある.

これまで, 本ブログで何度か言及しているが, 私の様な仕事は, 患者さんとの 「こころの対話」 と言ったものがとても大切だ.

患者さんが心を開いて呉れた時, 人間は実に様々で, とても陰陽の二元論では収まり切れないのが人間である事を痛感するのである.

本日のカット写真提供 : 下平 宏 氏 (サンコウチョウ・雄)

Have a nice weekend!
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