健康小話

死期が迫った状態で救急搬送された患者について, 日本救急医学会が過去 5 年半の間に医師から報告された 159 件を調べた処, 医師側が患者の家族に延命治療の中止を提案したｹｰｽが 57 件 (36%) に上る事が判明したと言う.

何れも複数の医師らによる医療ﾁｰﾑが, 回復の見込みがない 「終末期」 に該当する患者か如何か判断した上で, 延命中止を提案しており, 57 件のうち 48 件 (84%) でﾁｰﾑの中止方針と家族の意向が一致していた.

残り 9 件では家族の意向は中止ではなかったが, 積極的な回復治療は求めなかった.

最終的な処置は 57 件の大半で医師側の提案通りになったと言う.

調査を担当した国立病院機構大阪医療ｾﾝﾀｰの木下 順弘･集中治療部長は 「ﾁｰﾑが丁寧に説明した事で家族の理解を得られ易かったのではないか」 とｺﾒﾝﾄしている.

調査は全国の救急医らに任意で報告を求め, 2010 年 10 月から一昨年 4 月までに集まった 159 件を分析している.

救急医学会は 07 年に 「終末期医療に関する指針」 を策定している.

薬物注入などによる安楽死は禁じているが, 人工呼吸器の取り外しや血圧を上昇させる昇圧剤の減量といった延命中止行為を選択肢として認めている.

延命行為の是非を判断するのは容易な事ではない. けれども, 徒に延命する事は, 時に誤った行為とも言えなくもない, と思うのである.

Have a nice day!
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