(2683) プロの介護サービス, 価値評価を!2017/07/01 02:21

日本再建イニシアティブ主任研究員の大友 幸さんが, 過日, 日経の 「私見卓見」 欄に次の様な見解を寄稿している. (以下引用)

高齢者介護の施設サービスには多くの専門人材が関わっている.

介護保険の申請から施設への入居, 生活支援と, 多くの人の手を経て, 病院などと同様に総合的な支援プログラムが検討・提供される.

一方, 自宅での介護は少人数での家族ケアが主流となる.

現在の介護の基本的な考え方は, 在宅なので家族の協力が欠かせないが, 専門知識の乏しい家族が重い負担をするのは酷だ.

また, 介護には金銭では解決しない負担が存在し, 家族ならではの心情も深く関わる.

核家族化や独身者の割合が増えるなど家族の形態が変る中で, 持ち堪えられなくなった悲劇の報道を私たちは何度も目にしている.

どの様に老後を過ごす事が, 高齢者本人と家族にとって望ましい形なのだろうか.

介護は長期化する事が多く, 在宅だけでは限界がある. その意味では施設の充実は欠かせない.

また介護する家族も生活と自由が保障されなければならない.

私は少子高齢化への政策対応を研究しているが, 高齢者サービスの選択肢を増やす事が, 要介護者と家族の負担を軽減する事になるのではないか.

在宅医療などを含め, サービスの種類を増やし, アクセスを容易にする.

国が進めている地域包括ケアやコンパクトシティ構想などを推進し, 早急にオプションを増やす事が重要だと思う.

その為には, 介護サービスにもっと明確な理解と価値を与えるべきだ.

環境整備や賃金アップなど, 職業としての価値・魅力を高め, 介護従事者の立ち位置を引き上げる.

介護の価値が高まれば, ビジネスとしても新しいサービスが生まれるだろう.

仕事がロボットや人工知能 (AI) に取って代られる時代になると, 人間の仕事として最も価値が高くなるのは人の感情に働き掛ける感情労働だ.

典型が介護で, 今後, その価値は他産業での労働よりもずっと高まる筈だ.

介護サービスは家族に代って役割を担い, 家族や高齢者が抱える問題を解消して呉れる貴重な事業だ.

私たちは 「誰でも出来る仕事」 と捉える事を改めなければならない.

この考えを持っている限り, 高齢者は家族と行政の間を行き来し, 問題が解決出来ずに時間切れになる事を繰り返すだろう.

今行動する事は, 現在の高齢者や現役世代だけでなく, 次の世代への支援になる.

私たちにこの問題を先送りする選択肢は無い筈だ. (引用終り)

私は仕事柄, 訪問医療マッサージで多くの特養や老健, 高齢者のご自宅などに出入りしている.

そこでは, 患者さん一人一人のこれまでの人生が凝縮された形で見えて来る と同時に, 介護という仕事は如何に複雑な問題を抱えているか, を知る事になる.

その一つが 「介護の質」 が施設により異なると言う事実である.

バラツキがあるのである. 或る意味, 当然と言えば当然の事なのだが...

3 度 3 度の食事内容は勿論, 部屋の掃除一つ取っても, 「四角い部屋を丸く」 掃いたり, 便器が汚れていても決められた日にしか掃除しないと思われる施設など...

また, 昨今は, 介護施設への参入が相次いでいる所為か, 人手不足なのか, 最少に近い人員で運営されていると考えられる施設もある様である.

勿論, 入所者の人柄にもよるのだが, どちらかと言えば気配りの行き届いた介護が等閑にされているのでは, と思える施設も散見される.

寄稿者の大友さんは 「現在の介護の基本的な考え方は在宅なので, 家族の協力が欠かせない」 と仰っているが, 私はこの国の基本方針に疑問を持っている.

殆どの家庭が 「核家族」 化している今日, 老老介護, 認老介護, 認認介護...と言った状況で, 家族とは名ばかり, 協力など仰ぎ様がないのが現実なのである.

大友さんがいみじくも指摘している様に, 「介護サービスは家族に代って役割を担い, 家族や高齢者が抱える問題を解消して呉れる貴重な事業だ. 私たちは「誰でも出来る仕事」 と捉える事を改めなければならない.」

誰にでも出来る仕事では決してない. 介護は短期決戦ではなく, 長期に亘り終りが見えていない仕事なのであるから.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (ソリハシセイタカシギ ⑤)

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(2684) ノロウイルス感染の仕組み解明2017/07/02 04:03

国立感染症研究所のグループは, 食中毒の原因となるノロウイルスが細胞に感染する仕組みをネズミを用いて解明している.

細胞の表面にある特定の蛋白質から感染したと言う.

ヒトのノロウイルス感染を防ぐワクチンや治療薬開発に繋がる成果である様だ.

研究グループはネズミの白血球系細胞の様々な遺伝子をゲノム編集と呼ぶ技術で壊し, ノロウイルスを感染させた.

感染を逃れた細胞を詳しく調べると, 細胞の表面にある受容体の 「CD3001f」 や 「C300 1d」 の何れかが壊れていたと言う.

研究グループはこの 2 つの受容体がノロウイルスの感染に不可欠と結論付けている.

ネズミのノロウイルスはネズミ以外の動物には感染しないが, この受容体をヒトの細胞などに入れると, 感染したのである.

ヒトのノロウイルスでも同じ仕組みで感染している可能性がある訳である.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (ソリハシセイタカシギ ⑤)

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(2685) 血糖値の上昇 「抑える」 牛丼2017/07/03 02:22

吉野家は, 食後の血糖値の上昇を抑える効果のある成分を加えた 「サラシア牛丼」 を, 今日から発売開始すると言う.

糖の吸収を緩やかにする働きのある食品 「サラシア」 を, 店舗の厨房で具に混ぜて提供する.

価格は並盛りで 480 円と, 通常の牛丼より 100 円高く設定している.

同社の牛丼の総販売量は月約 1000 万食だが, サラシア牛丼だけでその 1 割の 100 万食の売り上げを目指すと言う.

サラシアはお茶などで使われる食品で, 糖の吸収を緩やかにする成分を含んでいる.

そのままでは少し苦いが, 配合など工夫して牛丼の味を損なわないレシピ-になってしる由.

3 月に通販限定で具材だけを発売した処, 売り上げが好調だった事から店頭での販売に踏み切ったと言う.

果して, 人気メニューに育つのだろうか? 健康志向の昨今, ヒットする様な感じがするのである.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (ソリハシセイタカシギ ⑥, 左はセイタカシギ)

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(2686) 健康の背景に 「生き甲斐」2017/07/04 03:17

過日, 「日経 Gooday」 と題する連載コラムに次の様な興味ある記事を目にした. (以下引用)

「転び易い町」 と 「転び難い町」 があると言う.

全国 20 万 - 30 万人の高齢者を対象とした調査 「日本老年学的評価研究」 プロジェクトでそれが判明したのである.

なぜ, 地域によって差が出るのか. 調べてみると, スポーツ組織に参加する人の多い地区ほど, 転倒する人が少なくなると言うのだ.

これ以外にも, 一人で運動をするより, 組織に参加して運動をしている人の方が要介護認定を受ける確率が低い事や, 趣味の会への参加率が高い市町村ほど, 低い市町村に比べて 「鬱」 傾向を表す点数が低いと言う結果も出ている.

趣味の会やスポーツ組織などに参加している人が多い町ほど, 認知症になるリスクが少ない事も分った.

健康に影響を与える要因としては, 食事や運動, たばこなどの生活習慣, 詰り生物学的・医学的な事ばかりが注目されて来た.

然し, 実は, "生き甲斐" や "趣味のあるなし", "社会参加", "人との繋がり" などが健康の背景にあるのかも知れない.

(「高齢者 20 万人研究で分った『転びやすい町, 転びにくい町』」より)

以上であるが, 私も仕事柄, 「健康長寿者」 については, その背景について興味を持って調べて来た.

その結果, 感じていたのは略同様の事であった. 中でも, "生き甲斐" と言うか, 生きる目標の様なものを失わない事が特に重要である様に感じている.

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(2687) 新出生前診断, 1 万人超える - 情報提供の在り方課題2017/07/05 02:37

2013 年度に始まった, 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新出生前診断を受診する妊婦が増えている.

実施医療機関の医師らでつくる研究組織 「NIPT コンソーシアム」 によると, 14 年度は 1 万人以上が検査を受け, 1 年目の 7740 人から大幅に増えた.

関心の高まりとともに, 情報提供の在り方などの課題も浮き彫りになって来ている.

新出生前診断は妊婦の血液に含まれる DNA を調べる検査で, 出産予定日の年齢が 35 歳以上である事などが検査を受ける条件となっている.

費用は約 20 万円で, 全額自己負担となる.

血液中の蛋白質を調べる従来の母体血清マーカー検査などより精度が高いのが特徴である.

検査では 3 つの染色体の異常を調べる.

21 番の染色体が 3 本ある異常は 「ダウン症候群」 とも呼ばれ, 染色体疾患の約半数を占める.

同コンソーシアムによると, 2 年間の検査数は約 1 万 8300 人. うち 1 万 7800 人のデータを調べた処, 295 人が陽性と判定されたと言う.

新出生前診断で陽性が確定する訳ではなく, 診断を確定するには更にお腹に針を刺して羊水を採取する 「羊水検査」 を受ける必要がある.

295 人のうち 253 人が羊水検査を受け 230 人の陽性が確定している.

同コンソーシアムの研究代表を務める, 国立成育医療研究センター (東京・世田谷) の左合 治彦周産期・母性診療センター長によると, 米国では医師が妊婦に対し出生前診断を受けるよう勧めると言う.

訴訟のリスクがあるからである.

一方, 日本では 「命の選別に繋がる」 との批判もあり, 医師自らが情報提供するか如何か, 対応に頭を悩ませている様だ.

検査の前後には時間を懸けたカウンセリングも必要で 「これ以上希望者が増えると現状の体制では厳しくなる」 と言う.

新出生前診断は現在, 臨床研究として限られた施設 (約 50 施設) で実施している.

今後, 希望者が更に増える事も予想され, 左合センター長は 「倫理面を含め, ルール作りなどを幅広く議論する必要がある」 とコメントしている.

先端医療になればなるほど, 倫理面の課題が関係する様になるものだ.

例えば, ダウン症と判断された子を産むのか否か, その親の 「命」 や 「倫理」 に対する考え方で大きく異なって来るのである. 解は一つではないのだ.

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