(3125) 脊髄損傷に再生医療2018/08/27 02:23

日経の報ずる処によると, 医療機器大手のニプロは, 神経や軟骨に変化する幹細胞を使った脊髄の再生医療を実現すると言う.

患者の骨髄から取り出して増やした幹細胞を体内に戻す治療の試験にこのほど成功, 厚生労働省に再生医療製品として申請する意向である由.

これまで損傷した脊髄を治す方法はなかったが, 再生医療ならある程度の回復が見込める為, 実用化が加速しそうだ.

ニプロは札幌医科大学 (札幌市) と 14 年から共同で研究を続けて来ている.

幹細胞は体内の傷付いた場所に集まる性質がある.

体内に戻した幹細胞は脊髄の損傷した部分に自然と集まり, 神経を再生する.

その結果, 脊髄損傷により歩けなくなった患者が歩ける様になると期待されている.

交通事故や怪我などで脊髄を損傷した場合, 手足の麻痺など深刻な障害が残る.

リハビリで一部の運動機能が戻る事もあるが, 現在は治療出来ない.

国内に約 20 万人の患者がいるとみられ, 毎年 5 千人ほど増えている.

今回の治療は歩けないなど比較的重症の患者が対象になりそうだ.

ニプロの今後の課題は量産技術の確立で, 今の処, 技術者が手作業で幹細胞を増やしている為, 年間 100 人分程度しか作れないと言う.

生産や検査を自動化する技術の開発を進めているが, 人材を更に育成出来るかが焦点との由だ.

また, 同じ中枢神経系である脳の疾患への応用も検討しており, 既に脳梗塞の患者で臨床試験を進めていると言う.

傷付いた神経を再生医療で治療する動きは国内外で活発になっている.

慶応義塾大学の岡野 栄之教授と中村 雅也教授らは, iPS 細胞を使った脊髄の治療で臨床研究を開始している.

また, バイオベンチャーのサンバイオ (東京・中央) は 16 年から米国で脳梗塞治療の臨床試験を大日本住友製薬と共同で進めている.

幹細胞とは, 幹から枝や葉に分れる様に, 様々な組織になる能力を持つ細胞.

これまで根本的な治療法がなかった臓器や組織の再生医療の切り札として期待が懸かっている.

大きく分けて人の体に広く存在する体性幹細胞, 受精卵から作られる胚性幹細胞 (ES 細胞), 皮膚などの細胞から人為的に作る iPS 細胞の 3 種類がある.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (カワセミシリーズ : ダイビング ②)

Have a nice day!
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