(3511) 放射線治療 - 手術と同じ治癒率2019/09/17 02:07

今回は, 東大付属病院放射線科准教授の中川 恵一先生が日経に連載しているコラム 「癌社会を診る」 で, 次の様に述べている. (以下引用).

8 月末, 放射線治療を受けた患者さんと対談する機会がありました.

お相手は都内で会社を経営する 65 歳の男性です.

2 年前, 東大病院で前立腺癌の治療を受けました. 放射線を前立腺だけに集中させる「定位照射」という方法で, たった 5 回の通院で治療は完了しました.

1 回の照射時間も世界最短レベルの僅か 80 秒です.

従来は週 5 回, 全部で 38 回の治療でしたから, 2 カ月もの通院が必要でした.

放射線治療の回数を減らすと言う事は, 1 回当りの照射量を増やす事に繫がります. 然し, 沢山の放射線量を癌の病巣に照射すれば, 周囲の正常な臓器にも放射線が当ってしまう事になります.

前立腺癌の場合, 前立腺の直ぐ後ろに接している直腸への照線量を如何に減らすかがポイントになります.

前立腺癌に対する放射線治療で, 直腸の線量を大きく減らす事が出来る手段が米国で開発されています.

我が国でも 2018 年 6 月から保険適用され, 全国で使用が開始されている 「Space OAR ハイドロゲル」です.

先ず, 治療を始める前に, ハイドロゲルを前立腺と直腸の間に注入します.

このゲルは約 6 カ月間, 体内に留まり, 直腸と前立腺の間に約 1 センチメートルのスペースを作ります.

その結果, 直腸の線量を大幅に下げる事が出来ます.

その後, ゲル剤は吸収されて自然に消えてしまいます.

今回対談した患者さんも, このハイドロゲルを使った定位照射を受けました.

周りに, 前立腺癌と診断され, 手術や従来型の放射線治療を受けた方が何人もいる中, この治療を受ける事が出来て本当にラッキーだったと言って戴きました.

社長業を休む事なく, 仕事の合間に治療を受ける事が出来, 直ぐに仕事に戻れた事, 治療から 2 年経った今, 再発もなく, 毎日元気に生活出来ている事などを語って戴きました.

治療に携わった医師としても, とても嬉しい言葉でした.

前立腺の他, 多くの臓器の癌で放射線治療は手術と同じ位の治癒率をもたらします. 然し, この治療を受ける患者数は欧米の半分程度です.

放射線治療の恩恵がもっと広がる事を期待しています. (引用終り)

放射線治療について, 現状が良く解るコラムと言える.

Have a nice day!
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