(5157) サルの ES 細胞, 「万能性」実証 : 「キメラ」誕生に成功!2023/12/14 01:42

中国科学院などは, サルの胚性幹細胞 (ES 細胞) を使って, 違う個体の細胞が混ざった 「キメラ」 のサルを誕生させる事に世界で初めて成功したと言う.

ES 細胞はキメラサルの全身のあらゆる組織の細胞に成長し 「万能性」 を実証した.

キメラ動物の全身は, 受精卵に由来する細胞と ES 細胞に由来する細胞が混在した状態になっており, ES 細胞が体のあらゆる組織に成長出来る証拠になる.

マウスやラットでは受精卵を培養した胚に ES 細胞を注入して, キメラ動物を誕生させる事で, 体のあらゆる組織の細胞に育つ万能細胞 (多能性幹細胞) と確認出来ていた.

然し, ヒトやサルの ES 細胞が万能細胞である事は完全には実証出来ていなかった.

中国の研究チームは, カニクイザルの ES 細胞の培養方法を工夫した上で, サルの胚に注入してキメラサルの誕生を試みた.

キメラ状態の胚を雌サルの子宮に移植した処, 12 匹が妊娠し, 6 匹が生まれた. 生きて生まれた雄 1 匹と流産した胎児の雄 1 匹は ES 細胞由来の細胞が体に含まれているキメラサルだった.

ES 細胞由来の細胞は緑色に光る様に遺伝子操作してあり, 受精卵由来の細胞と見分ける事が出来る.

キメラサルは生後 10 日で死亡したが, 脳, 心臓, 腎臓など体の組織を構成する細胞の 2 - 9 割 (平均 7 割) を ES 細胞由来が占め, 精巣や精子の元になる細胞にも ES 細胞由来のものが存在した.

研究チームは 「サルの体のあらゆる組織に分化する能力があると言う強力な証拠を得られた」 としている.

マウスやラットよりもヒトに近いサルで万能細胞の理解が進めば、ヒトの ES 細胞や iPS 細胞の技術改良に繋がると言う.

キメラの技術は複雑な遺伝子操作によってヒトの病気をサルで再現する研究や, 絶滅危惧種を保全する取り組みなどにも役立つ可能性がある.

一方で, サルの実験はマウスなどよりも動物倫理や生命倫理の面でより慎重な配慮が求められる.

米国の研究チームは 2012 年, アカゲザルの複数の胚をくっ付けると言う手法で, 違う個体の細胞が混ざったキメラを誕生させている.

原理的にはサルの ES 細胞でもキメラ誕生は可能だと考えられて来たものの, 培養技術などの改良が必要だった.

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