健康小話

国立感染症研究所が, 海外で承認されている薬などからｴﾎﾞﾗ出血熱の治療薬を探し出す為の動物実験を近く始めると言う.

感染症法で危険性が最も高い 1 類に指定されており, ｳｲﾙｽを使って薬の有効性を調べる動物実験は国内初となる.

主にｱﾌﾘｶで発生する感染症だが, 海外からの観光客が増え国内に流入する懸念がある事から, 感染者の発生時に迅速に治療できる体制作りを目指す.

実験で扱うのは, ｴﾎﾞﾗ熱の他, ﾗｯｻ熱, ｸﾘﾐｱ･ｺﾝｺﾞ出血熱, ﾏｰﾙﾌﾞﾙｸﾞ病の 4 つの原因ｳｲﾙｽで, 何れも 1 類. 発症すると発熱や頭痛の症状が出て, 粘膜などが出血する事もあり, 致死率が高い.

海外では薬の実用化が進んでいるが, 国内で承認された薬やﾜｸﾁﾝはない.

感染研は 11 月上旬に地元住民に説明し, 実験に向けた準備を開始した.

感染研村山庁舎 (東京都武蔵村山市) にある, 危険な病原体が漏出しない様， 厳重な対策を施したﾊﾞｲｵｾｰﾌﾃｨｰﾚﾍﾞﾙ 4 の施設で実験する.

ﾏｳｽや小型ｻﾙの一種ﾏｰﾓｾｯﾄにｳｲﾙｽを感染させ, 海外で承認されているｴﾎﾞﾗ熱の治療薬や, 新型ｺﾛﾅなど別の感染症の薬を投与して, 有効性を調べる.

候補薬が見付かれば臨床研究などを検討すると言う.

感染研の海老原 秀喜ｳｲﾙｽ第一部長は 「患者が発生したら直ぐに有効な薬を投与して治療を開始出来る様, 科学的根拠を集めて将来の治療体制の確立に貢献したい」 と話している.

感染研は 2019 年に海外からｴﾎﾞﾗｳｲﾙｽなどを輸入し, 患者を速やかに診断出来る検査体制の整備を進めていた.

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