尊厳死は叶えられるか? ― 2012/04/06 04:37

少し古い話だが, 東京都内のアパートで 111 歳の男性が白骨死体で発見されたと言うニュースが報じられた.
この事件をきっかけに, 全国で 100 歳以上の高齢者の所在不明が次々と明るみ出た事から, 日本の高齢化社会の 「死角」 に関心が寄せられ, 議論が繰返されている.
所在不明の高齢者の中には, 子どもが親の年金を当てにし, 死亡届も葬式も出さずにいたと言うケースが少なくなかった事実には, 正直, 或る種の衝撃を受けたものだ.
肉親の所在に無関心な家族の存在の多さと, 同時に, それを何十年もの間放置してきた, 「お役所仕事」 の行政にも呆れ返ったのであった.
その是非は別として, かつては, 江戸時代から受け継いで来た 「向こう三軒両隣」 と言う, 地域社会のお付き合いというものが存在していた.
然し, 核家族化の進展でその様な近所付き合いが姿を消したばかりでなく, 近頃は 「個人情報の守秘義務」 などと言うものを楯に, 益々その傾向に拍車が掛かっている状況である.
独り暮しの高齢者の 「孤独死」 がニュースとして報道される頻度が高まりつつあることからも, その事実を頷ける.
今年に入ってからは, "家族" の 「孤立死」 が相次いでいる四末だ.
一方, 特別養護老人施設や病院などで, 食事を満足に摂れなくなった高齢者に対して, 胃の中に管から直接栄養物を流し込む 「胃瘻 (イロウ)」 と言った延命治療を余儀なくされている高齢者もまた少なくない.
自分の身として考えた場合, 誰にも看取られない 「孤独死」 と, 植物人間の様になってまでも 「延命治療」 を受けるのとでは, どちらが 「幸福」 と思うか?
恐らく, 殆どの日本人は, 心の中では 「愛する家族に見守られながら死んで行きたい」 と願っているのではないだろうか?
けれども, 種々の事情からそれが叶う状況になく, 病院や特別養護老人施設での最期を止むを得ず選択せざるを得ないと....
現在, 日本では年間 120 万人前後の人が亡くなっている.
特に, 癌関連では, 年間 70 万人近い患者が存在し, うち略 35 万人が死亡しているのである.
今後は, 益々高齢化社会に突入して行く訳で, 病院の収容能力にも限りがあり, 総ての人が病院で最期を迎えられる事にはならないであろう.
今後は, 我が家で, 家族に囲まれながら最後を迎える事が出来る様, 訪問医師や訪問看護などによる 「在宅医療」 の制度整備が課題となってくるのではないか?
今月から介護制度の見直しがなされた理由の一つとして, 「在宅医療」 を見据えてもいる様だ.
「死」 と言うものは, その人個人だけのものではなく, 本来, 家族や周囲の人と共有されるべき性質のものでもある.
そこに 「尊厳死」 というものが深く関って来るのである.
尊厳死 (Death with Dignity) とは, 人間が人間としての尊厳を保ったまま死に臨む事である.
尊厳死を保つための手段の一つとして, 苦痛から解放されるためにペインコントロール技術の積極的活用が挙げられる.
無意味な延命行為の拒否については, 実際に死を迎える段階では意識を失っている可能性が高いため, 事前に延命行為の是非に関して宣言する Living Will (生前の意思) が有効な手段とされる.
末期がん患者など治癒の見込みのない人々が, QOL (生活の質) と尊厳を保ちつつ, 最期の時を過ごすための医療が Terminal Care (末期医療) である.
然し, 生存権を脅かしかねないものとして尊厳死を警戒する立場の人もいる. 「安楽死・尊厳死法制化を阻止する会」 という市民団体が存在しており, 彼らは, 尊厳死という名のもとに, 殺人や自殺幇助が一般化する可能性があると主張している.
尊厳死については, 本ブログで, 既に, 何度か触れているが, 「殺人や自殺幇助が一般化」 されない様な対策を講じた上での 「尊厳死」 と言うものがあっても良いのではないか, と思うこの頃である.
Have a nice day!
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はり・きゅう・マッサージ トミイ
http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html
(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
往診も承っております.
心や身体に関する悩み事など, お気軽にご相談下さい.
E-Mail : tadashi.fukutomi@tcat.ne.jp
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この事件をきっかけに, 全国で 100 歳以上の高齢者の所在不明が次々と明るみ出た事から, 日本の高齢化社会の 「死角」 に関心が寄せられ, 議論が繰返されている.
所在不明の高齢者の中には, 子どもが親の年金を当てにし, 死亡届も葬式も出さずにいたと言うケースが少なくなかった事実には, 正直, 或る種の衝撃を受けたものだ.
肉親の所在に無関心な家族の存在の多さと, 同時に, それを何十年もの間放置してきた, 「お役所仕事」 の行政にも呆れ返ったのであった.
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独り暮しの高齢者の 「孤独死」 がニュースとして報道される頻度が高まりつつあることからも, その事実を頷ける.
今年に入ってからは, "家族" の 「孤立死」 が相次いでいる四末だ.
一方, 特別養護老人施設や病院などで, 食事を満足に摂れなくなった高齢者に対して, 胃の中に管から直接栄養物を流し込む 「胃瘻 (イロウ)」 と言った延命治療を余儀なくされている高齢者もまた少なくない.
自分の身として考えた場合, 誰にも看取られない 「孤独死」 と, 植物人間の様になってまでも 「延命治療」 を受けるのとでは, どちらが 「幸福」 と思うか?
恐らく, 殆どの日本人は, 心の中では 「愛する家族に見守られながら死んで行きたい」 と願っているのではないだろうか?
けれども, 種々の事情からそれが叶う状況になく, 病院や特別養護老人施設での最期を止むを得ず選択せざるを得ないと....
現在, 日本では年間 120 万人前後の人が亡くなっている.
特に, 癌関連では, 年間 70 万人近い患者が存在し, うち略 35 万人が死亡しているのである.
今後は, 益々高齢化社会に突入して行く訳で, 病院の収容能力にも限りがあり, 総ての人が病院で最期を迎えられる事にはならないであろう.
今後は, 我が家で, 家族に囲まれながら最後を迎える事が出来る様, 訪問医師や訪問看護などによる 「在宅医療」 の制度整備が課題となってくるのではないか?
今月から介護制度の見直しがなされた理由の一つとして, 「在宅医療」 を見据えてもいる様だ.
「死」 と言うものは, その人個人だけのものではなく, 本来, 家族や周囲の人と共有されるべき性質のものでもある.
そこに 「尊厳死」 というものが深く関って来るのである.
尊厳死 (Death with Dignity) とは, 人間が人間としての尊厳を保ったまま死に臨む事である.
尊厳死を保つための手段の一つとして, 苦痛から解放されるためにペインコントロール技術の積極的活用が挙げられる.
無意味な延命行為の拒否については, 実際に死を迎える段階では意識を失っている可能性が高いため, 事前に延命行為の是非に関して宣言する Living Will (生前の意思) が有効な手段とされる.
末期がん患者など治癒の見込みのない人々が, QOL (生活の質) と尊厳を保ちつつ, 最期の時を過ごすための医療が Terminal Care (末期医療) である.
然し, 生存権を脅かしかねないものとして尊厳死を警戒する立場の人もいる. 「安楽死・尊厳死法制化を阻止する会」 という市民団体が存在しており, 彼らは, 尊厳死という名のもとに, 殺人や自殺幇助が一般化する可能性があると主張している.
尊厳死については, 本ブログで, 既に, 何度か触れているが, 「殺人や自殺幇助が一般化」 されない様な対策を講じた上での 「尊厳死」 と言うものがあっても良いのではないか, と思うこの頃である.
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(なお, 診療予約時、「健康小話」 を読んだ, と言って戴いた患者さんは,
初診料が半額になります.)
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