田口 佳史 著 『論語の一言』2012/04/29 03:40

最近 ,『論語』 が再び脚光を浴びていると言う.

『論語』 は, 人間の本質を説いた書であり, ある意味, 人間形成に資する処, 大なるものがあるからだろう.

『論語』 とは, 孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後, 弟子達が記録した書物である.

『孟子』 『大学』 『中庸』 と併せて儒教における 「四書」 の 1 つに数えられている.

『論語』 と言えば, 渋沢 栄一の書いた 『論語と算盤』 や 『「論語」 人間, 一生の心得』 も未だに, 特に, 3.11 東日本大震災後, 読まれている様だ.

渋沢 栄一の 『論語と算盤』 は, 1916 年 (大正 5 年) に書かれた書で, 「道徳経済合一説」 という理念を打ち出した事で知られている.

幼少期に学んだ 『論語』 を拠り所とした渋沢は, 倫理と利益の両立を掲げた人である.

経済を発展させ, 利益を独占するのではなく, 国全体を豊かにする為に, 富は全体で共有するものとして社会に還元することを説くと同時に自身にも心がけたのである.

"富をなす根源は何かと言えば, 仁義道徳. 正しい道理の富でなければ, その富は完全に永続することができぬ" と, 『論語と算盤』 にはその理念が端的に述べられている.

そして, 道徳と離れた欺瞞, 不道徳, 権謀術数的な商才は, 真の商才ではない, と断言している.

なお, 渋沢 栄一については, ノンフィクション作家の佐野 眞一氏が 『渋沢家三代』 (文春新書) と言う力作を著しているので興味ある方は一読されたい.

さて, 前置きが長くなったが, 表題の本は, 老壯思想研究者として, 東洋リーダーシップ論を展開し, 数多くの企業で, 社会人教育に関して講演活動を行っている田口 佳史氏の著書である.

本書は, 『論語』 の中から, 6 つのテーマに沿って纏めて解説したもので, 自分の興味あるテーマから読み進める事ができる.

例えば, 次の様な言葉が出てくる.

「三人行けば, 必ず我が師あり. 其の善なる者を選びて之に従ひ, 其の不善なる者にして, 之を改む.」

三人集まれば, 自分にとって師と仰ぐべき先生が居るものだ. 善い人の事は見習い, 善からぬ人の事は反面教師にすると良い, との意味である.

どんな人間と接しようと, 先生と仰ぐ人もいれば, 反面教師とすべき人もいる.

清濁併せ呑む, と言う言葉があるが, 色々な人間と出会う事は決してマイナスではなく, 心掛け次第で, 総て, 自分の教科書とする事ができるのである.

人は得てして, 自分の好みの人間としか交わろうとしない傾向がある.

特に, 歳を取ったり, 出世をしたりするとその傾向に拍車が掛かりがちだ.

然し, 周りの人間が, 自分に心好い事しか言わない "取巻き連中" ばかりになったら, 裸の王様になってしまう.

その意味で, 人間たるもの, 出来るだけ色々な人との交流を心掛け, 周りの人の意見に耳を傾ける事が大切なのである.

『論語』 の解いている世界は, 自分の人間を磨くにはうってつけの本と言えよう.

政治家のみなさんには, 余り興味のない世界の様であるのが残念だが....

Have a nice Golden Week!
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