(1492) iPS 細胞から赤血球量産技術2014/03/27 02:34

過日, 理研の小保方 晴子研究チームリーダーにより発表された STAP 細胞は, 今やその存在自体が危ぶまれている.

残念なことではあるが, 如何やら, 功名心に駆られた (上司の) 個人的資質や理研の組織体制の在り方に問題の一因があった様に思われる.

然し, 一方では, あらゆる組織や細胞に育つ iPS 細胞を用いて, 手術や貧血治療で使う血液成分の量産に活かす研究が相次いでいる.

将来は輸血が必要な高齢者が増え, 若者の献血離れも進むと予想され, 血液製剤が不足する恐れがある.

また, 感染症の心配のない血液製剤を必要とする患者も存在している.

どんな細胞にもなる iPS 細胞の性質は, 安全な赤血球や血小板を人工製造し, 安定供給に繋がる.

iPS 細胞は再生医療の臨床研究が, 昨年 8 月に目の難病で始まっている.

また, 医薬品の生産でも新たな産業応用に道を開きそうだ.

理研の中村 幸夫細胞材料開発室長らは, 人間の iPS 細胞から赤血球を大量に作る基盤技術を開発している.

赤血球は血液中で酸素を運び, 不足すると貧血になる. それ自体は増えず, 「赤血球前駆細胞」 という細胞が次々と赤血球に生まれ変る.

研究チームは, 半永久的に増え続ける 「赤血球前駆細胞」 を iPS 細胞から作ったと言う.

先ず, 遺伝子工学の手法で iPS 細胞を改良した. 赤血球の生産を促す物質 「エリスロポエチン」 などを使って培養し, 成熟した赤血球を作る技術を確立したのである.

研究チームはこれまでに, 同じ万能細胞の仲間である胚性幹細胞 (ES 細胞) から前駆細胞を作る実験にマウスで成功している.

iPS 細胞を使った今回, その時の培養法も参考にしたと言う.

200 ミリリットルの血液製剤を作るには約 1 兆個の赤血球がいるので, 大量生産の技術が求められていたのである.

今の処, 前駆細胞が赤血球に育つ確率は約 25% に止まっており, 5 年以上掛けて 100% に近づける計画の様だ.

また, 自治医科大学の花園 豊教授らは, ヒトの iPS 細胞を使ってヒツジの体内で, ヒトの血液成分を作る実験に着手している.

動物の体を借りるので, 未知の感染症リスクや輸血を受ける側の心理的な抵抗感が課題となる様だが, 大量生産に向く方法と考えていると言う.

ヒトの血液から iPS 細胞を作製し, 血液を作る 「造血幹細胞」 になる前段階の細胞に成長させる. これを妊娠約 50 日目のヒツジの胎児に注射で投与, 体内で造血幹細胞に育てて貰う.

動物の受精卵を操作して人の臓器を作るような研究は国の指針が禁じているが, 胎児の利用は規制されていないという.

3 年後に体内で造血幹細胞を作る技術を確立, 5 年後には赤血球や血小板を安定して作れる様にする計画と言う.

既に花園教授らはヒトの造血幹細胞をヒツジに移植し, 体内でヒトの血液を作る実験に成功している.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (ミコアイサ)

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