健康小話

不妊症の患者を支援する NPO 法人 「Fine (ﾌｧｲﾝ)」 (東京) は, "働きながら不妊治療を受けた女性の 92% が仕事と治療の両立は難しいと感じ, そのうちの 4 割以上は退職, 転職するなど勤務状況が変った" との調査結果を公表している.

松本 亜樹子理事長は 「高額な不妊治療費を捻出するため, 当事者の多くは働いているが, 仕事と治療の両立は時間的, 精神的な負担も大きい」 と指摘している.

多様な働き方の整備や支援制度を利用し易い環境づくりが必要だと訴えているのである.

ｱﾝｹｰﾄは昨年 5 月 - 今年 1月, ｲﾝﾀｰﾈｯﾄ上で実施している.

不妊治療を経験した回答者は 2152 人 (男性 13 人, 残りは女性) で, 「仕事と治療の両立が難しいと感じた」 ことがある人は 1978 人 (92%) だった.

そのうちの 4 割以上に当る 836 人は治療を理由に勤務状況が変った. 内訳は, 退職 527 人, 転職 121 人, 休職 104 人, 異動 84 人.

理由 (複数回答) は, 「通院回数が多い」 が 568 人, 「体力的に負担が大きい」 が 335 人, 「職場で協力や支援を得にくい」 が 333 人だった.

職場に不妊治療をｻﾎﾟｰﾄする制度があると答えたのは, 僅か 6% だったと言う.

自由記述欄には 「正社員の職を手放して, 子供も出来なかった場合, 何も残らないと言うのが怖い」 「時短勤務にしたいが, 給料が減ると治療代が払えない」 などの声が寄せられている.

少子化の解消を目指すには, 肌理細やかな支援策が必要とされている実態が判る.

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