(2742) ES 細胞治験を申請2017/08/29 00:19

昨日のブログに関し, 日経夕刊にその後の進展が以下の如く報道されている.

国立成育医療研究センターの研究グループが様々な細胞に変化するヒト胚性幹細胞 (ES 細胞) を使った国内初の臨床試験 (治験) の計画を, 国に申請した事が明らかになった.

重い肝臓病の赤ちゃんに ES 細胞から育てた肝臓の機能を持った細胞を移植する.

海外では目の難病や脊髄損傷などで ES 細胞を使う再生医療の治験が進んでいるが, 日本でも漸く医療応用が本格化する.

治験は生まれつき肝臓で有毒なアンモニアを分解出来ない病気「高アンモニア血症」の赤ちゃんを対象に実施する.

ES 細胞は不妊治療で使わなくなった余剰の受精卵を壊して作った.

ES 細胞から育てたアンモニアを分解する働きを持つ肝細胞を, 赤ちゃんの臍の緒の血管から肝臓に注入する. 拒絶反応を抑える免疫抑制剤も使う.

治験は医師主導で, 同センターの倫理委員会が 5 月に承認した. 現在, 国の医薬品医療機器総合機構 (PMDA) に計画を申請中. 承認されれば来年にも実施する. 対象は 5 人で, 血液中のアンモニアの濃度が下がるか如何かを確かめる.

高アンモニア血症の治療には母親などからの肝移植が必要だが, 赤ちゃんがある程度の大きさに育つまで手術は難しい. ES 細胞を使う再生医療が効果を確認出来れば, 移植までの繋ぎになる.

治験に成功すれば, 同センターは企業と連携し, 2020 年頃をメドに ES 細胞を利用した再生医療用製品の実用化を目指している.

ES 細胞は iPS 細胞と同じ万能細胞. 様々な細胞になるが受精卵の一部をもとに作る為, 生命倫理の点で問題を指摘する声があり, 国内での臨床応用は遅れていた.

同センターは再生医療等安全性確保法に基づき, 臨床研究と自由診療に使うための ES 細胞を新たに作る計画を国に申請中だ. 今回の治験に使う ES 細胞はこれとは別で, 基礎研究や治験用に作製済みの ES 細胞を使う.

ES 細胞を使う再生医療の臨床試験が世界で最初に実施されたのは 10 年. 米バイオベンチャー, ジェロン社が ES 細胞から神経系の細胞を作り, 脊髄損傷の患者に移植した.

今では韓国や英国, 中国, ブラジル, イスラエルで実施され, 移植を受けた患者は 100 人を超えたと推定されている.

日本では同じ万能細胞の iPS 細胞を使った臨床研究が先行しているが, 高アンモニア血症を対象にした臨床研究や治験は実施されていない.

本日のカット写真提供 : 下平 宏氏 (セイタカシギ若鳥)

Have a nice day!
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