(3078) 「子産める」 癌治療に指針2018/07/11 02:41

日本がん治療学会は, 若い頃に癌になっても, 治療後に子を持つ可能性を残す具体的な方法を示した初の指針を纏めている.

患者に不妊となるリスクを正しく伝えるとともに, 卵子の凍結保存など生殖能力を残す方法を治療の選択肢として普及させる考えと言う

国内では 40 歳未満で癌と診断される人は年間 2 万人に上る.

抗癌剤や手術などの治療で, 将来, 子を持てなくなる恐れがあるが, 患者に情報が十分に伝わっていないという問題がある.

指針策定に関わった鈴木 直・聖マリアンナ医大教授 (産婦人科) は 「医師に重要性を知ってもらうきっかけにしたい」 とコメントしている.

指針では, 癌治療医は, 患者に治療で不妊になる可能性がある事を伝え, 必要なら早期に生殖医療専門医を紹介して連携すべきだとしている.

一方で, 癌治療を最優先にすべきで, 安易に標準的な治療を変更したり, やめたりするのは避けるよう求めてもいる.

婦人科癌, 乳癌, 泌尿器癌など 8 領域について, 卵子や精子の凍結保存法や, 生殖能力を温存できる手術法などを詳細に示している

例えば, 乳癌では, 手術で癌を摘出後, 速やかに抗癌剤を使用すべきだとしながらも, 通常より最大 12 週間遅らせて, 卵子などを凍結保存する方法がある事を紹介している.

病気と言うものは, 元々がその人 "固有" のものであるから, 治療もその人の症状に合った "個別" のものである筈だ, と言うのは私の考えだが, 「指針」 とか 「標準的治療」 と言ったものは必要なのである.

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