(5116) 週 30 分の筋トレで予防2023/11/03 01:40

引き続き, 中川 恵一東京大学病院准教授が日経に連載している 「がん社会を診る」 からの以下引用です. 参考にして戴きたい.

このコラムでも取り上げましたが, 運動は癌を予防します.

ウオーキングなどの活発な運動を週に 5 日以上行っている人は, 殆ど運動しない人に比べ, 癌の発症リスクが 2 割も減る事が, 144 万人を 11 年間追跡した大規模な調査から明らかになっています.

これは米国や欧州で行われた 12 件の研究を分析した結果ですが, 日本人約 10 万人を追跡した研究でも, 男性の大腸癌・肝臓癌・膵臓癌で, 女性の胃癌で, リスクの低下が示されています.

日本人を対象とした総合評価でも, 運動による癌の予防効果は, 大腸癌では略確実, 乳癌でも可能性ありとされています.

運動による癌予防のメカニズムは完全に解明されている訳ではありません. ただ, 大腸癌の場合, 運動で消化管の活動が高まって便通が良くなり, 便に含まれる発癌物質が大腸に止まる時間が短くなります.

これが理由の一つと考えられます.

インスリンは癌細胞を増殖させますが, 運動によって血糖値が下がると膵臓から分泌されるインスリンの量が減ります.

これも, 運動による発癌抑制の理由と考えられています.

乳癌は女性ホルモンのエストロゲンがリスクを高めます.

運動によって脂肪組織から分泌されるエストロゲンが減る為, 乳癌の予防に繋がると思われます.

さて, 健康に良いエクササイズと言えば, ウオーキングやジョギングと言った有酸素運動をイメージする人が多いと思います.

然し, 腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニングも癌を予防する有力な手段です.

30 歳以上の 8 万人の英国人を対象にした調査では, 週 2 回以上筋トレを行っている人は, 全死因による死亡リスクが 23% 低く, 癌による死亡リスクも 31% 低い事が明らかになっています.

また, 専用マシンを使わない筋トレでも, ジムなどの専用マシンと同等の効果がある事も分っています.

筋肉から分泌されるマイオカインと言うホルモンに癌予防効果があると言う見方が有力になっています.

早稲田大学の研究グループの分析では, 筋トレによる癌予防の効果は週 30 分が最も高く, 週 130 分を超えるとマイナスになる事が分っています.

筋トレによる総死亡抑制効果についても週 40 分がベストで, 週 140 分を超えると逆効果になりました.

有酸素運動と同様, 過剰な筋トレはマイナスになります. 尤も, 「遣り過ぎ」 は少数派. 殆どの人は, 運動も筋トレも足りていません.

Have a nice holiday!
-------------------------------------------------------
・この 「健康小話」 のブログは, はり・きゅう・マッサージ トミイ
(http://www.ne.jp/asahi/shinqma/tommy/index.html)
の院長のブログです.
・鍼・灸・マッサージ・按摩・指圧を初め, 広く, 東洋医学や健康, 人としての生き方等に関して, 日頃感じている事を書いて行きます.
・なお, 診療予約時, 「このブログを読んだ」 と言って戴いた患者さんは, 初診料が半額となります.
・往診も承っております.
・心や身体に関する悩み事など, 何でもお気軽にご相談ください.
(E-Mail : tadashi.fukutomi@jcom.zaq.ne.jp)
・English speaking clients are welcomed!
・Premium Healing Oil Massage is available!
・学割適用始めました.