(5151) 肥満症薬, 11 兆円市場の争奪戦2023/12/08 01:53

米イーライ・リリーやデンマークのノボ・ノルディスクなど, 世界の製薬大手が肥満症薬の開発を競っていると言う..

糖尿病薬を転用し, 体重を減らす効果がある. 海外では実用化された例もあり, 世界市場は 2030 年に 770 億ドル (約 11 兆円) に膨らむと言う予測もある.

昨日の 朝の NHK でも報道していたが, 美容を目的として使われるケースもあり, 適正な使用が課題となっている.

日経によると, 「何年も努力し, 略断食状態でも最大で 4 キロ位. 薬を使い始めて 17 週間で約 9 キロ痩せた」. 米中西部イリノイ州に住む 34 歳の女性は満足そうに話す.

この女性が使うのがノボの開発した 「ウゴービ」 だ. 21 年に米国で肥満症薬として承認された. 利用者の 3 人に 1 人は体重が 20% 減ったと言う. 少なくとも 5% 減量出来た人は利用者の 83% を占めた.

ウゴービは米国の他, デンマークや英国などでも承認されている. 供給が追い着かず, 品薄となっている.

ノボは 23 年に世界で 36 億ドルを投じて供給体制を増強しており, 24 年も同額を投資する予定だ.

ウゴービは 「GLP-1 受容体作動薬」 と言うタイプの薬だ. 血糖値を下げる働きがある他, 中枢神経に働き掛けて食欲を抑える作用がある. 糖尿病の治療薬から転用された.

米国で肥満症薬として承認された GLP-1 はウゴービだけだ. 「二匹目のドジョウ」 を狙おうと開発が相次いでいる.

イーライ・リリーの 「チルゼパチド (一般名)」 は年内にも米国で肥満症薬として承認される可能性がある.

臨床試験 (治験) では 15 ミリグラムを 72 週間投与したグループの体重が平均 20.9% 減った. 同社は昨年 10 月, 米食品医薬品局 (FDA) から優先審査に指定されたと発表した. 米ファイザーと米アムジェンも治験を実施中だ.

日本企業では中外製薬が GLP-1 の新薬候補を持つ. 世界での開発や販売の権利はイーライ・リリーが持っており, 実用化されれば中外にロイヤルティー収入が入る.

肥満症薬の販売は米国を中心に急拡大している.

米モルガン・スタンレー・リサーチは 9 月に従来予想を上方修正し, 世界市場は 30 年に 770 億ドルに成長すると推計している. 医薬品では癌治療薬と並ぶ成長分野となっている.

国民の 4 割が肥満とされる米国では肥満を原因とした問題が出ている.

肥満の人は心臓病や高血圧などの症状が悪化し易く, 米ハーバード大学によると, 医療費は肥満でない人に比べ年間 1860 ドル程高い.

肥満症薬が普及すれば, 問題の解決に繋がる一方で課題もある.

一部の患者では "消化器の問題" を引き起す副作用が報告されている.

米国の民間保険会社は高額な価格を理由に肥満症薬を適用対象とする事に後ろ向きだ. 米国でのウゴービの 1 カ月分の薬の値段は約 1350 ドルで, 年間 1 万 6200 ドル掛かる.

本来の用途とは異なり美容目的で不適切な利用もみられる.

国内でもウゴービと同じ仕組みで働く糖尿病の薬を "自費診療" で投与する医師や個人輸入で使う人もいる.

不適切な使用が広がれば, 必要な患者に行き渡らない事態を招きかねない.

昨日の NHK では GLP-1 を服用し深刻な副作用を発症した中年女性が体験談を語っていた.

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