(5246) 癌患者は高蛋白食を2024/03/12 02:06

今回も, 中川 恵一先生の日経連載コラム 「がん社会を診る」 からの以下引用です. 参考にして戴きたい.

私たちの体になくてはならない栄養分の内, 蛋白質, 脂質, 炭水化物を 3 大栄養素と言います.

特に蛋白質は, 内臓, 筋肉, 骨, 皮膚など体の組織を作る主成分です.

加えて, 様々な酵素やホルモン, セロトニンやドーパミンと言った神経伝達物質, ウイルスなどから体を守る抗体も蛋白質の一種です.

十分に蛋白質を摂取する事は健康の維持に欠かせません.

66 歳以上の年齢層では, 蛋白質の摂取量が多い人は, 少ない人と比べて全死亡率が約 3 割低く, 癌死亡率も 6 割も低かったと言うデータもあります.

高齢者の健康寿命を左右するサルコペニア (加齢による筋肉量の減少および筋力の低下) の予防にも十分な蛋白質は欠かせません.

中高年の読者には 「運動, 筋トレ, 高蛋白食」 の 3 点セットがお薦めです.

然し, 日本人の蛋白質摂取量は, ダイエットブームなどの影響でここ 20 年位の間に減少しています.

1 日当りの蛋白質摂取量は, 日本が豊かになった高度成長期に急上昇し, 1995 年に 81.5 グラムとピークを迎えました.

その後も 2000 年位までは 80 グラム前後を維持していましたが, 19 年は 71.4 グラムと激減. これは戦後間もない 1950 - 60 年と略同じ水準です.

日本人の食事摂取基準における蛋白質の目標量は, デスクワークがメインで身体活動量が普通の 50 - 64 歳の男性の場合に 91 - 130 グラムとされていますから, 不足は明らかです.

ダイエットの為に肉などの摂取を控えると筋肉が減って基礎代謝が低下する結果, 却って太り易くなりますから要注意です.

日本人の蛋白質不足はもっと知られてよい問題ですが, 癌患者にとっては更に切実な問題です.

癌患者では, サルコペニアが起り易く, 進行癌患者の約半数で筋肉の減少が認められています.

筋肉が減ると再発のリスクが高まるだけでなく, 生活の質も低下し, 末期癌に見られる倦怠感にも繋がります.

進行癌患者が激痩せする 「悪液質」 では, 癌細胞が作る 「サイトカイン」 と言う物質によって, 食欲が抑えられます.

このサイトカインは筋肉も減らし, 急激な体重減少を引き起します.

悪液質による激痩せは膵臓癌, 胃癌, 食道癌, 肺癌などで多く見られますが, 乳癌, 前立腺癌などでは起り難い傾向があります.

有酸素運動, 筋トレ, 高蛋白食の 3 点セットは, 一般人以上に癌患者にオススメだと言えるでしょう.

Have a nice day!
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